YKK APは4月25日、都内で記者会見を開き、AIや顔認証システムを搭載したドア「UPDATE GATE」を発表した。2020年の発売を予定し、同26日からYKK APショールーム新宿 特設ギャラリーで一般公開展示している。
YKK AP 「未来窓」プロジェクト担当 事業開発部 部長の東克紀氏は、UPDATE GATEについて「住宅の中におけるコンタクトポイントを考えた結果、家族が毎日通る玄関であると考えた。そして、玄関に存在する建材を未来ドアとして位置づけた。通るたびに毎日をアップデートし、家族1人1人を認識してサポートするため、執事のようなドアだ」と、述べた。
UPDATE GATEは、Will Smartとともに開発。ドアがエージェント(NTTドコモのAIエージェントAPIを利用)となり、外出前に交通情報や天候情報など、家族1人1人に合わせた情報を音声で伝える。顔認証(NECの「NeoFace」を採用予定)により、人を判別し、ドアを自動開閉する方法でのセキュリティを可能としている。
また、ドアハンドルが付いておらず、ドアの前でセンサ感知と顔認証により、家族であれば扉を自動開閉する機能を搭載。玄関前でカギを探したり、鍵を施解錠したりする必要がなくなることに加え、来訪頻度の高い介護ヘルパーや宅配業者の顔を事前登録することで、ゲストを判別して招き入れることも可能としている。
さらに、スマートフォンと連携し、突然の来訪者があってもスマートフォンから確認ができ、見守りの役目も果たすほか、家のさまざまな家電と接続することで、玄関空間で照明やエアコンをコントロール・見える化することを可能としている。
加えて、扉の室外側には、自在に演出できるパネルデザインを採用。動画により動きのあるデザインにすることや、季節に応じた設定、思い出のテクスチャーの貼り込みなども可能とし、住宅の顔である玄関ドアを、自分好みのオリジナルデザインにすることができるという。
これまで同社では「未来窓プロジェクト」として2016年に第1弾として品川の体感ショールームにて未来窓を設置、第2弾(具現化フェーズ)は2017年にショールーム新宿で透明有機ELを強化ガラスで組み込み、センサを取り付けた未来窓を展示している。
今回の取り組みは第3弾(商品化フェーズ)となり、キーワードは「コンタクトポイント」。これは人が集まる場所は課題が存在し、課題の解決策を形にすることで価値につながる可能性があるためだという。
YKK AP 執行役員 副社長の菅間信太郎氏は「今後、新設の住宅着工数はシュリンクしていくことが見込まれており、われわれの方針としては『高付加価値化』と『需要創造』を掲げて事業を進めている。窓とドアは身近なものであるため、普段は意識しないことが多い。そこで、付加価値を与えることで窓・ドアがワクワク感じられるものに変えることができるのではないかと考えている」と、今後の商品化への期待を語っていた。
以下の動画はドアが対応するデモ動画だ。