ガートナー ジャパンは4月24日、従業員数500人以上の日本企業を対象に実施した、日本のテクノロジ人材のスキルに関する調査結果を発表した。

改善したい人材のスキルを聞いたところ、第1位は「リーダーシップが取れる人材が不足している」となった。これに、「英語(リーディング)が弱い」「グローバル・レベルで活躍できるエンジニアのスキルがいない」といった回答が続いている。

  • ITインフラ組織関連において、改善したい人材のスキル 資料:ガートナー

今回の結果は、同社が2011年から毎年実施している調査結果とほぼ同じであり、特にリーダーシップは、改善したいスキルとして常にトップに挙げられているという。

同社は、リーダーシップを取る人材が不足している企業は、「決められない」「推進できない」「調整が行われない」「方向が定まらない」「将来が描けない」といった課題を抱えている可能性があると指摘している。

同調査では、人材育成上の懸念や困っていることについても聞いている。最も多かった回答は、「技術変化に対応できるトレーニングが整備されていない」だった。これに、「制度がない」「教育できる先輩(人材)が少ない」が続く。

  • 人材育成上の懸念、困っていること 資料:ガートナー

リサーチ&アドバイザリ部門 バイス プレジデント 兼 最上級アナリストの亦賀忠明氏は、この結果について、「ユーザー企業で、クラウドやAIといった領域に関わるスタッフを一人前の人材に育てるには、3年程度はかかる。これは想像以上にハードルの高い施策であり、業務時間外の自己啓発に期待できるレベルを超えている。企業や組織は、個々人の役割やゴール、彼らに求める期待値とともに、KPI(主要パフォーマンス指標)を明確な形で導入するといった施策を含め、積極的な人材投資に基づくスキル獲得を通じ、新たな時代をリードする人材の価値を高めていくことが急務である」と述べている。