BAKEの課題

絶好調に見えるBAKEにも課題はある。それは急成長を遂げる会社組織にありがちなものであり、西尾氏に代表が託された理由でもあろう。

西尾代表が語る課題は価値観の共有だ。BAKEがさらに企業規模を大きくするには組織プレーが必要になる。そのためには人手が必要であり、日に日に社員が増えているのが現状だ。人が増えようとBAKEが守るべきはミッションステートメントであり、価値観の共有は重要課題だ。新入社員にとって、BAKEのミッションステートメントは文字に過ぎない。古参の社員はステートメントを体現してきた重みのある言葉となる。この差は大きい。

「私が考えていること、会社が大事にしてきたこと、こうした価値観をみんなにどうインストールしていくのか。新しいメンバーが入ってくれば、それをどう伝承していけるのか。こうしたことが組織としては非常に大きなテーマ」(西尾代表)

組織としてさらに発展させていくために、西尾氏は目下、商品ブランドを事業部採算制に移行させる取り組みを進めているという。より多くの人に手にとってもらうために、どうすれば、ブランド価値がさらに上がるのか、誰にどんなポジションを担ってもらうべきか。事業部制に移行させるなかで、それをマネジメントできる人材をどうするかという点だ。

製菓業界のゲームチェンジャーとなりうる注目企業が直面するのは、意外なまでに身近にあるありふれた課題なのだ。