富士フイルムは28日、橋梁やトンネルなどのひび割れ点検業務を大幅に効率化する社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」を、4月3日より提供開始することを発表した。価格は税別400円/枚(画像1枚から利用可能。単価は利用枚数に応じて変動)。

  • 「ひびみっけ」のサービス画面(1): 撮影した画像をアップロード

    「ひびみっけ」のサービス画面(1): 撮影した画像をアップロード

国や自治体では、橋梁やトンネルなど老朽化した社会インフラの定期点検の義務化や点検内容の厳格化を進めている。通常、社会インフラの点検作業では、点検に必要な高度な技術・ノウハウを持つ熟練検査員が、近接目視で確認したひび割れなど点検結果を写真撮影やスケッチで記録し、さらにその記録をデータ化して報告書を作成している。そのため多くの作業時間がかかり、検査人員の確保も重要な課題となっていることから、点検業務を効率化する製品・サービスに対するニーズが高まっている。

今回、富士フイルムが提供を開始する「ひびみっけ」は、同社が医療用画像診断システムで培った高精度な画像解析技術を用いて開発した、社会インフラ画像診断クラウドサービス。

点検現場で検査を行う橋梁やトンネルなどのコンクリート表面を撮影し、その画像をサーバーにアップロードすることで、自動的に複数枚の画像の合成し、AI(人工知能)を活用した画像解析によって幅0.1mm以上のひび割れの高精度な自動検出結果を得ることが可能。撮影に使用するデジタルカメラの機種は問わず、画素数に応じて撮影範囲を変更するだけで、ひび割れの自動検出ができる。これにより、人手による従来の点検業務に比べて作業時間を半減させ、社会インフラの点検作業を効率化させる。

  • 「ひびみっけ」のサービス画面(2): 画像の合成、ひび割れ検出

    「ひびみっけ」のサービス画面(2): 画像の合成、ひび割れ検出

また、アップロードされた画像の合成や、ひび割れ検出結果のCADデータの作成も自動で行うことが可能で、報告書作成までの作業を効率化するだけでなく、描き写し漏れも防止する。さらに、事前に格間の大きさなどの基準となる情報を入力するたけで、ひび一本ごとの長さ・幅を試算し、補修作業計画の効率的な立案をサポートする。

なお、同サービスは、月々の利用量に応じた従量課金制。画像をサーバーにアップロードするためのソフトウエアを、ひびみっけのWebサイトから無料でダウンロードできるため、初期投資は不要で利用できる。

  • 「ひびみっけ」のサービス画面(3): CADデータを作成

    「ひびみっけ」のサービス画面(3): CADデータを作成