リクルートライフスタイルがこのほど、同社の事業戦略を説明する発表会「Airレジ カンファレンス 2018」を開催した。4年目を迎えたPOSレジアプリ「Airレジ」は、サービスの提供開始以降、全国31万8000店舗で導入され、関連するサービスも堅調に成長しているという。同社は「Airレジ」を中核に据えてどのようなプラットフォームの構築を目指しているのだろうか。
Airレジと連携する関連サービスが、この1年で急成長
発表会に登壇したリクルートライフスタイル ネットビジネス本部 グローバルソリューション事業ユニットのユニット長である大宮英紀氏は、この1年間におけるAirレジおよび関連サービスの成長について紹介。
まず、2年前に始まったキャッシュレス決済サービスAirペイは、クレジットカードの主要国際ブランド6種類、交通系電子マネー9種類、Apple PayやiD、QuickPayにも対応したことで急成長を遂げ、この1年間で取扱高は15倍に成長したという。決済手数料の低さ、Airレジとの連携、支払手段の多様性、運用費用の安さなどが導入の決め手になっているのだそうだ。
「手持ちの現金がなく売上を逸失する機会が減るなどして、売上がアップしたという声が7割を超える。国はキャッシュレス決済比率を10年で40%に引き上げることを目指しているが、Airペイ成長の背景にはこうした追い風があるのはもちろんだが、顧客のために便利なサービスづくりを推進することで、この成長を加速させたい」(大宮氏)
また、訪日外国人によるインバウンド消費の高まりを受けて成長している「モバイル決済 for Airレジ」は、5.2億人が利用する中国Alipayに対応していることで導入店舗が急増。取扱高はこの1年で16倍に成長しているという。atre、PARCOなど大型商業施設が導入を進めているそうで、今春からは銀座の大型商業施設「GINZA SIX」に導入される。また、対応決済手段として今春よりNTTドコモの「d払い」にも対応し、国内需要にも応えるとしている。
「モバイル決済 for Airレジは、購買意欲の高い中国人観光客のニーズを呼び込むサービスとして導入が進んでいる。いまや“ALIPAYに対応するならモバイル決済 for Airレジ”といえるほどにまで成長した。商業施設だけでなく飲食、美容、旅行宿泊などの業種にも拡大していきたい」(大宮氏)
そして、ポイントカード対応サービス「POICHI for Airレジ」は、Tポイント、PONTA、WAONポイントという国内の主要ポイントサービスに対応したことで、導入店舗が増加。ポイントカード提示による会計総額は、この1年で20倍以上成長したという。店舗がサービス導入によってブランド力のあるカードに対応することで、利便性だけでなく店舗への信頼が高まる点が、導入店舗から好評なのだという。
「決済にポイントが使えることで、購買が拡大するケースも少なくない」(大宮氏)
こうした決済サービスに加え、予約台帳サービス「レストランボード」、店舗受付管理アプリ「Airウェイト」、予約管理サービス「Airリザーブ」など集客・接客サービスも堅調に推移しており、Airレジを中核に様々なサービスを連携させることで、多くの店舗がサービス導入の手間やコストを抑えた形でレジ業務の効率化と売上の向上を実現している現状を紹介した。
特に決済サービスに関しては、3つのサービスを導入することで顧客への選択肢を幅広く提供することを手間なく実現できる点について、「店舗はシンプルな導入手段で手間なくクレジットカード、ポイントカード、電子マネーなどの主要ブランドを取り扱うことが可能になる。支払手段によって機器を購入したり、契約をしたり、店員を教育したりする手間は必要ない。Airレジを中核に据えてそれぞれのサービスを連携させることで、決済からPOSレジまで一気通貫で賄うことができ、煩雑になりがちなレジまわりをシンプルにすることができる」と強調した。