ユニアデックスは12月19日、IoTと機械学習により高度な付加価値の提供を目指すAirInsightシリーズの第1弾として、機械学習/AIをビジネスで活用したい事業者を支援する「AirInsight Maintenance(エアーインサイトメンテナンス)」の販売を開始し、2018年1月下旬に提供を開始すると発表した。
新サービスは、IoTと機械学習/AIを活用し、設備点検診断業務を支援するIoTクラウドサービスとなり、「OEMモデル」と「サービス販売モデル」の2種類を提供。
日本ユニシスグループが提供している「IoTビジネスプラットフォーム」上で提供され、センサデータ収集や設備点検診断に必要な機械学習を含むIoTクラウドサービスと、センサやIoTゲートウェイなどのハードウェアを顧客の要望に合わせて提供する。設備保全関連事業者は、IoT化に余計な労力とコストを割くことなく、IoTクラウドサービスをユーザー企業に提供することを可能としている。
主な特徴として「診断のサービス化を素早く・低コストで実現」「他社との差別化を実現が可能」「従来の設備診断手法を理解しているデータサイエンティストによる機械学習の実装」「対象設備製品の設計変更が不要」「柔軟な提供構成」の5点を挙げている。
診断のサービス化を素早く・低コストで実現することについては、センサやデータ収集に加え、従来の設備診断手法に基づく機械学習エンジンが搭載されているため、素早く・簡易にIoTサービスを実装できるという。他社との差別化を実現が可能な点に関しては、OEMモデルでは顧客の保有する診断ノウハウを機械学習化して、専用のエンジンとして提供するため、他社との差別化を容易に行うことを可能としている。
従来の設備診断手法を理解しているデータサイエンティストによる機械学習の実装では、顧客が持つ設備診断ノウハウを正しく理解し、そのノウハウを最大限生かした形で機械学習を実装できるという。対象設備製品の設計変更が不要なことについては、対象設備に後からセンサを設置する方式のため、製品設計の変更が不要となり、既存の製品に対して容易にIoT/機械学習による設備診断機能を組み込むことを可能としている。
柔軟な提供構成では、サービスのハードウェア・ソフトウェア構成は、顧客に合わせた柔軟な構成を提案する。すでに類似の遠隔監視サービスを提供している顧客の場合には、APIを経由してサービスの機械学習アルゴリズムだけを利用することもできるという。
さらに、新サービスはOEMモデルとサービス販売モデルの2種類を提供し、OEMモデルは顧客が保有している診断ノウハウを、ユニアデックスが機械学習として実装し、顧客のブランドでサービスを販売するモデルとなり、故障の予兆など自社の保有する診断ノウハウを機械学習化して提供できるため、競合他社との差別化を図ることが可能。
サービス販売モデルは、新サービスに標準で組み込まれている簡易診断の機械学習エンジンを利用するモデルとなり、顧客は追加の開発を行うことなく、対象設備にあわせた機械学習のチューニングのみで、簡易な設備診断を行うことができるという。
ユニアデックスでは、設備メーカー・設備工事業者・設備メンテナンス業者を対象に、今後4年間で30社に新サービスの提供を目指す。サービス開始当初はモーター、ポンプ、コンプレッサーなどの回転機設備を監視診断の対象とするが、今後もサービス開発を進め、回転機以外の設備へとサービス対象を拡大する予定。また、センサ設置の簡素化を目指し、LPWAなどの広帯域・低消費電力ネットワーク技術によるサービス提供についても現在開発を進めている。