日立製作所は10月12日、ダイセルの協力の下、IoT*を活用し、経営情報から製造現場の状況までのKPIを一元的に可視化する経営・製造ダッシュボードを開発したと発表した。
同システムにより、経営者層、工場管 理者層、ライン監督者層の視点から、経営改善や生産性向上を図るために有用な情報を定量的 かつタイムリーに把握することで、スピーディーな意思決定を実現する。
同システムは、両社の協創プロジェクトの一環として、これまで作業員の逸脱動作や設備不具合の予兆を検知する画像解析システムを通じて収集してきた製造現場の4M (Man<人>、Machine<設備>、Material<材料>、 Method<方法>)データを最大限活用したもの。
具体的には、経営者層向けには事業・工場ごとの売上や利益率、キャッシュフローや可動率など、工場管理者層向けには担当工場のラインごとの生産量や可動率、他工場の情報など、ライン監 督者層向けには担当ラインごとのサイクルタイムや設備稼働状況、他ラインの情報などをKPIとして、時系列にグラフ表示する。
さらに、グローバルに展開している製造現場の情報(加工実績、作業映像など)を統合し、 ビッグデータ解析技術を活用して不良発生時の原因分析や改善施策提案を行い、各製造現場にフィード バックすることで、グローバルでの製品の品質向上に貢献する。
ダイセルは、エアバッグの基幹部品を製造している播磨工場において、2017年10月からライン監督者層向けの製造ダッシュボードの運用を開始する。今後、経営者層向け経営ダッシュボード運用に向けブラッシュアップしていく。その後順次、海外の主要6工場に同システムを導入し、グローバル視点での経営判断の迅速化や製造現場でのさらなる生産性・品質の向上につなげていく予定。
日立は、同システムをIoTプラットフォーム 「Lumada」の産業分野向けソリューションコアの1つとして、国内外の製造業向けに積極的に事業展開を図っていく。