一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)は7月5日、ブロックチェーンにより実装されたデジタルトークンの社会実験において、仮想通貨「Zen」の発行を同日9時から開始したと発表した。

Zenは従来の仮想通貨と同様にインターネット上で取引を行うことが可能で、かつ、日本円と高い為替連動性を保持するものとして利用できる仮想通貨となることを目的として発行されたデジタルトークン。今回は実験の第1フェーズとして、仮想通貨取引所であるZaifにおいて同仮想通貨の発行が可能になった。仮想通貨取引業者登録の準備が整い次第、ほかの仮想通貨取引所も「Zen」の発行を行う予定。第1フェーズは9月30日までを予定しており、その間はBCCC会員の提供製品サービス内にZenの流通範囲を限定する。

ZenはBCCCが発行主体となり、時価1円に相当するビットコインなどの仮想通貨に対して「1Zen」を発行。仮想通貨を発行時の市場価格にて即座に日本円に交換して銀行口座に保管する。また、BCCCはZenの発行手取金を原資として、取扱取引所ごとに発行数と同数のZenを1Zen=1円で購入する注文を提示することで、実質的にZenの対日本円為替レートを安定化させる仕組みが機能するという仮説を検証する実験を行うという。なお、BCCCが再取得したZenは、原則として消却処理するとしている。

取引所はBCCCから発行業務を受託し、発行先である参加企業が行う所定の手続きに従った発行請求を経て、Zenと当該取引所が扱う法定通貨やほかの仮想通貨と取引を実行。発行先企業は、提供する製品やサービスにZen建てでの価格を付して取引を実施する。

Zen運用イメージ

将来的には日本円との為替が安定して運用されることで、実ビジネスでの使用に耐えうる仮想通貨とすることを目的としている。