フィリップスは5月22日、肺疾患領域において最近報告された研究結果から、在宅で非侵襲的換気療法(Noninvasive Intermittent Ventilation、以下NIV)と在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy、以下HOT)を併用することで急性増悪を起こした慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、以下COPD)患者の再入院や死亡までの期間が有意に遅れることが示唆されたことを発表した。
また、5年間にわたり多施設で行われた本試験においては、再入院または死亡までの期間が3カ月近く延び、試験開始後6週間の健康関連QOLが改善したという。
この試験結果は2016年9月、英国ロンドンで開催された欧州呼吸器学会 国際会議にて初めて発表された。また、最終論文は、米国ワシントンDCで5月19日~24日に開催された米国胸部学会国際会議において発表され、のちに米国医師会雑誌「Journal of the American Medical Association」でも報告された。
同社のチーフメディカルリエゾン テオフィロ・リー・チョン・ジュニア医学博士は、「本試験結果から、在宅におけるNIVは重度のCOPD患者の再入院を予防するための有力な治療方法となり得ることが分かりました」とした上で、「これにより、患者がより健康で健やかな生活を送れるようになることを願っています。今回の結果は、COPDという有病率が高い呼吸器疾患に関する我々の知見を大幅に増やし、また、臨床医がCOPD患者の長期にわたる在宅酸素療法をどのように管理するかに大きく影響を与えると期待されています」と述べている。
なお、2017年4月に報告されたフィリップス出資による別の試験では、AVAPS-AE(トリロジー特有のモード)の使用を含む、包括的なケアプログラム実施によるCOPDの再入院率低下に伴い、患者や病院の医療費負担が有意に削減されたことが認められた。これらの試験に対する出資は、在宅NIVの技術向上を先導し、COPD患者の症状緩和を目標とする同社のコミットメントの表れだと説明している。