ぷらっとホームは6月6日、工場などの施設内でIoT機器を利用し、クラウド不要(インターネット接続不要)かつクラウド連携も可能なIoTシステムを実現するという新しいIoTデータ・マネジメント製品(IoT Data Management、IDM)である「OpenBlocks IDM アプライアンス」を発表した。価格はオープンプライス。
同製品の導入によって、PLC(Programmable Logic Controller)の他、工場内の各種機器(インバータ/サーボ/産業ロボット/工業計器)など、多様な設備のIoT化が可能としている。
また、工場の閉域環境での利用に加えて、将来の拡張、例えばインターネットやクラウド・システムとの接続も予め考慮しているといい、今後IoT技術の応用で普及が見込まれる予知・予測や人工知能(AI)を駆使した新しいサービスも利用可能な拡張性を備えているとのこと。
同製品は、工場内の多様なCSVファイルの取り込み、IoTゲートウェイによるデータの収集、PLC接続機器データの収集、工場内データの一元管理、収集したデータの可視化、データの蓄積、データの外部連携といった機能を備える。
CSVファイルの取り込みに関しては、工場内の生産設備や測定器、センサーが出力するCSVファイルを、同製品に取り込むことが可能。主要なCSVファイル形式に標準対応しており、これまで利用できていなかったCSVファイルを取り込むことで、データを有効利用できるとしている。
データ収集については、プログラミングレスでIoTセンサー・デバイスからデータ収集するIoTゲートウェイである「OpenBlocks IoT Family」の使用により、温度・湿度・照度・開閉・人感・ビーコン・加速度など、工場内の環境・設備のセンシングを実現するという。
PLC接続機器データの収集に関しては、PLCに生産設備などの機器から、稼働状況などのデータ収集が可能。工場内データの一元管理については、生産設備・測定器などから取り込んだCSVファイルや、IoTセンサー・デバイスから取り込んだデータを全て、同製品が搭載する時系列データ基盤により一元的に管理できるという。
これにより、ファイル・サーバ上でのCSVファイル管理が不要となり、本質的な目的である中身の時系列データへのダイレクト・アクセスを実現するとしている。
収集したデータの可視化に関しては、蓄積したデータを基に、工場内レイアウト図面上へ環境データのプロット、設備の稼働状況、生産量のグラフ化などを視覚的に行なうためのビューアを搭載しているという。
ビューア内のレイアウト変更なども自由であり、例えばセンサーや設備の移動があった場合も、ビューア上の位置変更を容易に可能としている。また、時間間隔の異なる複数のCSVファイルを統合し、複数の要素を同一グラフ上で可視化することで、複数の要因原因分析などが可能。
データの蓄積については、工場内の複数の端末から取得したCSVデータやセンシング・データの統合的な管理が可能。
データの外部連携に関しては、時系列データ基盤に蓄積したデータとオンライン・サービスを接続するためのツールである「Node-RED」を搭載しており、データの加工・処理や、Twitterや各種クラウド・サービスへのデータ送信を可能にし、多様な外部サービスとの連携が可能としている。
対応するクラウド・サービスの例として同社は、Amazon Web Services、Microsoft Azure、IBM Watson IoT Platformを挙げる。
なお、オプションの追加機能として、予知保全、電力管理、位置管理、IoT基盤構築を用意しているという。