「2017 Japan IT Week春」会場内で多数見受けられた“AI”の文字。通販ソリューション展のスペースを歩いていると、AIのフレーズとともにインターネット黎明期からお馴染みの赤い「goo」のロゴを発見した。「goo Search Solution」と題されたNTTレゾナントのブースで出展されていたソリューションを本稿ではピックアップして紹介していこう。
普段我々が利用するWebサイトのなかに、サイト内検索の機能を有しているものも数多い。なかでも、ECサイトにおいてのサイト内検索は、その精度が売上に直結するのだという。配布された資料によれば、サイトにアクセスした後、キーワード検索を行う来訪者はなんと約8割にも上るという。また、検索で欲しい商品が見つからなかった経験を約6割のユーザーが体験しており、欲しい商品が見つからなかった場合購入自体を諦めてしまうユーザーがなんと約4割にもなるという。先に述べたように、ECサイトにおけるサイト内検索の精度が如何に重要かわかっていただけたと思う。
本稿でピックアップした「goo Search Solution」のサービス紹介Webサイトより |
ECサイトのサイト内検索機能でよくある課題が、キーワードが一致したモノが無作為に表示され精度が悪い、ECサイト運営者として売りたい商品や売上上位商品が検索結果の上位に表示されない、表記ゆれに対応していないためヒット件数がゼロになってしまう、同じ意味の語句なのに検索結果が異なるなど、実は細やかなノウハウが必要になってくる。だが、この「goo Search Solution」の特徴のひとつとして、AIを用いた自己学習によって検索結果を自動で最適化してくれるのだ。
また、単純なキーワードマッチではなく、ユーザーの検索ログから「どの商品がユーザーにとって最適なのか」を検索エンジンが学習し検索結果を並び替えてくれる。面倒な運用は不要で、トレンド商品や売れ筋商品が自動的に検索結果の上位に表示されるため、ユーザーが本当に手に入れたい商品を見つけることができるようになるのだ。細かな配慮だが非常に重要だと感じられるのが、独自の形態素解析で得られる検索結果の最適化だ。例えば、5mのLANケーブルを購入したい場合検索で「LANケーブル 5m」のように検索すると思う。その際、チューニングが行われていないと0.5mのLANケーブルや5mのUSBケーブルなど、ユーザーが欲しい「5mのLANケーブル」以外の情報もマッチしたノイズを多く含んだ結果が表示されてしまうケースも多い。しかし、形態素解析を行うことによってユーザーが欲しているものをできるだけ正確に表示させることができるのだ。
こちらは表記ゆれ辞書の一例。左はiPhone 6を検索する際、カタカナもあれば日本語入力状態でiPhoneと誤入力しても同一の結果が得られるように、右も同様に織田信長の“織田”を“小田”と間違って入力しても織田信長の検索結果を表示できるようにチューニングしている |
表記ゆれ辞書やキーワードサジェストといったユーザビリティ向上のための機能とあわせ、トレンドワードをさりげなくアピールする機能や関連するワードを例示するなどの検索機会創出のための機能が盛り込まれた「goo Search Solution」。既にNTT Xstoreやradiko等のサービス事業者に導入されている。いずれのWebサイトでも課題だった表記ゆれ、例えばアーティストの固有名詞の誤りで検索結果がゼロになってしまう、スマートフォンでは結果が得られるのにスマホで検索すると得られない、といった部分で効果を発揮しているのだとか。
ECサイトを運営しているビジネスオーナーの皆さま。たかがサイト内検索と軽んじることなかれ。しっかりユーザーが望む検索結果を提示することによって、検索結果のアンマッチによる約4割にも上る機会損失を低減させることにより、ひょっとしたら今運営しているECサイトの売上がグッと向上するかもしれない。それを実現する手段のひとつとして「goo Search Solution」の導入を検討してみては?