サービス部門に加えて、アクセサリもiPhone効果

最後に、サービス部門とその他のハードウェアについて、数字を振り返ろう。

これまでサービス部門は、季節変動なく、20%前後の成長を続けてきた。その原動力となっていたのが、iPhoneを購入したユーザーによるアプリの購入や課金が行われるApp Storeだ。

2016年は、7月リリースのPokemon GO、12月リリースのスーパーマリオランといったヒットゲームにも恵まれ、引き続き、その効果が続いている。1アカウントあたりの売上平均と、支払いを行っているアカウント数が成長しており、後者の増加率は過去最高を記録したという。

また、Apple MusicやiCloud追加ストレージなどの月額サブスクリプションサービスについても、2桁成長をしており、1億6500万ドルの売上を記録したという。2020年までに売上を倍増したい考えだ。

また、サービス部門に続いて、iPhone効果を見せ始めたのがその他の製品部門だ。このカテゴリには、Apple Watch、AirPodsやBeatsなどのワイヤレスオーディオ製品、そしてApple TVなどが含まれている。

Apple Watchは前年同期比で2倍以上に成長しており、またAirPodsの品薄状態も改善されつつある。iPhoneと組み合わせて利用する製品にはケースなども多かったが、ウェアラブル分野の製品が充実し、売上拡大に貢献するようになった点は重要だろう。

次を考え始める時期

iPhoneを中心としたエコシステムは、向こう数年間の成長余地を、付加価値向上と、サービスやその他の製品の売上拡大という形で成熟を見ている。

サービス部門では、ケーブルチャンネルなどが見られるバンドルセットの販売や、Apple Musicのコンテンツ拡充などによるユーザー拡大も期待されている。

また、その他の製品のカテゴリでは、ARに注力していくとの発言から、メガネ型デバイスへの期待や、Amazon Echoに対抗するSiriを搭載するスピーカーデバイスの登場も注目を集める。

しかし、iPhoneのエコシステムの「次」の展開についても見えつつある。アップルは自動運転に関する行動での試験走行の認可をカリフォルニア州で得ており、アップルのものと見られるテスト車両の目撃情報も報告され始めた。

こうした展開の一部は、6月に予定されている開発者会議WWDCで明らかになる。そして9月には、新型iPhoneの発表もあるだろう。引き続き、テクノロジーやライフスタイルを作り出す企業としてのアップルに注目していきたい。