NECは4月17日、業務システム基盤構築ソフトウェア「SystemDirector Enterprise」の機能強化を行ったと発表した。具体的には、業務アプリケーション開発の効率化を支援する「SystemDirector Enterprise V9.4」について、FinTechに代表されるAPIを活用した業務アプリケーションの開発機能や、マルチデバイスに対応可能なSPA(Single Page Application、ブラウザ上で変更のあった部分のみを画面に反映する技術)の開発を効率化する機能を新たに提供する。
近年、企業間での競争が激しくなる中、企業は従来型の基幹システム(SoR)の安定性や保守レベルを維持しつつ、限られたICT投資をIoTやビッグデータを活用した基幹システム(SoE)の構築にシフトし、ビジネスに結び付けて成果を上げたいと考えており、開発や保守の効率化が不可欠になっているという。
APIを活用した業務アプリケーション開発機能については、Open API Initiative(RESTful APIインタフェースを記述するための標準フォーマットを推進する団体)が標準化を進めているOpen API Specificationに準拠したAPIに対応。
自社で開発したAPIや、他社が公開するAPIを活用した業務アプリケーションの開発を効率化する機能としてOpen API Specificationに準拠したJSON形式のAPI仕様をリアルタイム開発デザイナーにインポートし、画面テンプレートを自動生成する機能を提供する。また、API仕様と画面の詳細な関係をグラフィカルに設計する機能と、APIを活用した業務アプリケーションを自動生成する機能も提供する。
SPAの開発を効率化する機能に関しては、SPAの画面遷移や画面レイアウトをグラフィカルに設計する機能、設計データから機能設計書を自動生成する機能、SPAを自動生成する機能をそれぞれ提供。SPAの開発量や人的作業を削減でき、Time To Marketの短縮や開発・保守コストの削減も可能になるという。
また、ソースコードなどからシステム内の資産を可視化し、業務アプリケーション保守の効率化を支援する「SystemDirector Enterprise Asset Innovation Suite V2.0」について、分析対象の業務アプリケーションにIDL IIプログラム(integrated Data-oriented Language II:NEC独自の第四世代言語)を追加。これにより、従前よりサポート対象だったCOBOLやCOBOL/Sと組み合わせ、より多くの業務アプリケーションの棚卸、可視化、診断が可能になるという。