高精細な写真で地球上を埋め尽くしたGoogle EarthやMapsはユーザーに大きなインパクト与え、ストリートビューでは家に居ながらにマチュピチュやエベレストまで登れてしまう。しかしながら広大な海の底は未だに未知のゾーンだ。

XPRIZE財団公式Webサイト

1995年設立のXPRIZE財団は、世界の課題を解決するために"学習"、"探査"、"エネルギーと環境"、"世界規模の開発"、"生命科学"の5分野をテーマに世界コンペティション開催しており、民間による最初の月面無人探査を競う「Google Lunar XPRIZE」や大気から水を作り出す「Water Abundance XPRIZE」、ユーザーが自身で健康を管理できる健康デバイスを競う「Qualcomm Tricorder XPRIZE」など壮大なプロジェクトが公式ページには並んでいる。

「Shell Ocean Discovery XPRIZE」は、広大な海域における超高速の海底マッピングをミッションとする総額700万ドルコンペティションで世界各国のチームと競い合う。17日、Round1の「技術提案書審査」を突破した21チームが発表され、日本からはTeam KUROSHIO(チーム黒潮)が実海域試験へと進むことが明らかになった。

Team KUROSHIO公式ページ

Team KUROSHIOは、JAMSTEC(海洋研究開発機構)や海技研(海上・港湾・航空技術研究所)、東京大学や九州工業大学、企業からは三井造船、日本海洋事業、KDDI総合研究所が結成したチームで日本からは唯一の進出チームとなる。

Team KUROSHIOは、「XPRIZEから提示されたこの困難な課題に挑むことを好機と捉え、関係機関・企業と協働して、世界に向けて日本の海洋調査の技術力を発信するとともに、新たな海洋調査コミュニティを創出し、既存市場の活性化と新規市場の開拓に貢献することを目指します。」とコメントを表明、次ステージ突破に向けて要素技術の開発を行っている。