日立システムズとPSTは2月3日、未病音声分析技術を用いたクラウド型のヘルスケアサービスの提供に向けて協業した。今回の協業に基づき、日立システムズは声から心の状態の変化を捉え、病気の予防や未病の早期発見に寄与する「音声こころ分析サービス」を開発した。
同サービスは、スマートフォンや固定電話、携帯電話などから録音した音声データを分析して心の状態を見える化し、利用者にメンタル疾患の自覚と予防を促すほか、管理者向けの機能によりメンタル疾患者およびその予兆が見られる利用者の早期発見を支援し、社会課題となっているメンタルヘルス対策に寄与することが期待されている。
サービスの提供開始に先立ち、神奈川県が2017年2月27日から試行的に導入する。日立システムズは、結果を踏まえて、同6月にサービスの提供を開始する予定だ。期間は2月27日~3月24日を予定し、対象は神奈川県職員100名(希望者)、対象職員がスマートフォンのアプリケーションを使用して音声を登録し、クラウド側で分析を実施。分析結果から日々の心の状態の変化を認識することにより、ストレスの自己管理につなげる。また、終了後のアンケートにより、同サービスの使いやすさなどを検証するという。
なお、同サービスの分析にはPSTが開発した未病音声分析技術「MIMOSYS」(ミモシス:Mind Monitoring System)を利用。同技術は、声帯の変化(不随意反応)を分析して心の状態を「見える化」する技術で、東京大学大学院医学系研究科 音声病態分析学 特任准教授の徳野氏が医学的に検証しており、日常の声から客観的かつ手軽に心の状態をチェックすることができるという。
今後、日立システムズは、住民サービス向上に取り組む自治体や、健康経営をめざす企業、トラックやバスなどの輸送業、介護施設、教育機関など向けに提案し、企業における健康経営の推進、健康社会の実現に貢献していく。また、PSTは、MIMOSYSの認知度向上ならびに事業拡大を図る方針だ。