デルとEMCジャパンは2月1日、都内で新年度のスタートに伴う説明会を開催した。説明会にはデル 代表取締役社長の平手智行氏と、EMCジャパン 代表取締役社長の大塚俊彦氏が統合後の状況に加え、今後の戦略について説明した。
冒頭、平手氏は「日本はデジタル・トランスフォーメーションの時代を迎え、その変革のスピードと振れ幅、連続性という点で、過去に例を見ない盛り上がりを迎えている。そして、指数関数的なプラットフォームの処理能力と機器間のつながる能力の向上が、すべての企業に新たなチャンスをもたらすものと考えられている一方で、デジタル・トランスフォーメーションが味方につかない企業は危機を迎えるとも言われている。このような状況下において、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションの支援を行うことがわれわれの役割となる。そのため、われわれは3つの大きな方針・戦略に基づいて企業を形成している。1つ目は前述の通りデジタルトランスフォーメーションの実現を支援すること、2つ目は顧客企業の働き方を変革すること、そして3つ目はセキュリティとなる」と述べた。
同氏は同社の現況について「製品・サービスの機能統合は完了しており、法人としては緩衝領域があるものの、統合されたチームで動いている」とした。ハイパーバイザーとして、デルのハイパーコンバージド・アプライアンス「XCシリーズ」はNutanixを採用、EMCジャパンのハイパーコンバージド・アプライアンス「VxRailはVMwareを採用と競合が生じているが、これは「顧客の環境に応じたソリューションを提供できるため、逆説的に言えばポートフォリオが拡充したことの裏づけとなる」と説明した。
すでに米国では法人格の統合は完了しているが、日本を含む米国以外の法人格は時間をかけて統合していくという。これは各国の状況、マーケット、顧客ニーズが違うことに対し、顧客へのサービスや価値などの提供の継続性を第一に機能統合を優先しており、法人格は別に考えているためだとしている。
また、平手氏は日本市場におけるサーバとストレージのシェアについて「欧米などの海外におけるサーバのシェアは20%であるのに対し日本は10%、ストレージは海外の35%に対し日本は15%であるため、今後、国内市場の伸びしろはあるだろう」と期待を口にした。
顧客が抱える課題に対する2x2戦略とは?
続いて、大塚氏は顧客の課題について「競争力のある新規ビジネスの立ち上げ、効果的なハイブリッドクラウドの構築、システム資源の効率的な運用・管理、適正なコストによる高信頼のサービス・サポート、エンド・ツー・エンドでソリューションやテクノロジーを提供してくれる包括的なパートナーシップが挙げられる。われわれはハードウェア、サーバ、ストレージ、ネットワークの領域から仮想化、オーケストレーション、セキュリティ、PaaSまで、エンド・ツー・エンドで顧客のデジタルフォーメーションに貢献できる」と語った。
こうした顧客が抱える課題を踏まえたうえで、日本市場における事業展開については「シェアを倍増することを目的に2x2戦略として5つの取り組みを実施する。1つ目は両社のパートナーシップを活用し、市場に届ける価値の最大化を図る。2つ目はデジタルトランスフォーメーションを実現するコンサルティング・アプローチの強化など顧客企業とのパートナーシップ、3つ目はSI/リセラーとのパートナーシップによる全国規模でのカバレッジを強化、4つ目はITの戦略的活用を推進する企業とのパートナーシップ、そして5つ目は通信キャリア・クラウドプロバイダーとの戦略的パートナーシップに取り組んでいく」と、パートナーシップを基本軸に事業展開を進めていくと同氏は強調した。