日立ソリューションズは12月1日、同社が提供する人事総合ソリューション「リシテア」に蓄積されたデータを使って、組織パフォーマンス診断やストレスケアの必要な社員予測を行う「リシテア/AI分析」を2017年2月から順次、販売すると発表した。
同社では「リシテア」シリーズを1994年から提供しており、勤務管理、給与、人事評価、健康管理などの人事・労務管理関連データを一元管理する機能を提供してきた。
今回同社は、同シリーズの新コンセプトを「働く一人ひとりの『躍動』を企業の成長へ」に定め、社内外のシステムに存在する多様なデータに対して、人工知能(AI)を適用し、個人と組織のパフォーマンス最大化に向けた診断や予測をする「リシテア/AI分析」を販売していく。
今回の発表はその第一弾で、ストレスケアの必要な社員を予測する「組織ストレス予測サービス」を2017年2月6日に、業績やモチベーションなどパフォーマンスの高い組織の特性を抽出して可視化する「組織パフォーマンス診断サービス」を2017年5月に販売開始する。
「リシテア/AI分析」では、「リシテア」シリーズに蓄積された、勤務管理、給与、人事評価、健康管理などの人事・労務管理関連データのほか、財務会計、プロジェクト管理など、データを他システムから取り込み分析する。さらに今後は、センサーで取得した移動軌跡データや従業員間のコミュニケーション履歴データを取り込むなど、さまざまなツールを利用して、分析対象のデータを追加し、分析の精度向上を図るという。
「組織ストレス予測サービス」では、勤怠管理情報、人事情報(勤務地、所属情報など)のほか、企業が独自で行ったアンケート情報などのデータをAIで分析、過去の従業員の働き方から、ストレスケアが必要な働き方をしているとみられる従業員を予測し、組織単位にチームのストレス状況を可視化する(個人ごとの情報は産業医のみに開示)。 産業医は予測結果を元に、人事や該当メンバーの所属する組織のマネージャーに対して、ケアを促す。
同社が同社社員および一般企業を「リシテア」のデータを使って分析したところ、全休職者の53%が予測可能だったという。価格は、従業員1,000人で300万円~。
「組織パフォーマンス診断サービス」では、業績情報、従業員の勤怠管理情報、人事施策の利用状況、従業員サーベイ情報、コミュニケーション履歴のデータをAIで分析し、業績やモチベーションの高さと相関性の高い指標を抽出・特定する。価格は個別見積り。
データの分析・加工処理にあたって、データを持ち出す場合は、「プライバシー情報匿名化ソリューション」や情報漏洩防止ソリューション「秘文」などのセキュリティノウハウを活用するという。
同社では、2015年度50億円であった「リシテア」の売上を今回の発表されたサービスなどを含め、2020年度に倍増の100億円に拡大することを目標として掲げている。