本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、11月21日~11月25日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 国立天文台など、太陽のあちらこちらに現れる謎の超音速現象の発見 横国大、物質の超高速応答やテラヘルツ波の波形を高速に測定する手法を開発 物質・化学・材料系 東北大、非極性面AlInN薄膜ナノ構造を用いた深紫外線~緑色偏光光源を開発 東北大、強靱かつ軽量性を具えた自立発電型スマート材料を開発 阪大、廃棄物と水から水素を生成する触媒技術を開発 名大、分子マシンを利用し架橋点が自由に動ける架橋剤を開発 JASRI、カーボンナノチューブに閉じ込められた不思議な水の状態を解明 静岡大と鳥取大、植物の乾燥耐性能を向上させる化合物の開発に成功 生命科学系 京大など、植物の新規防御メカニズムの発見と解明 京大、社会からの隔絶が不安を招く神経メカニズムをマウスで発見 東大、インスリン刺激の時間変化と濃度による選択的遺伝子発現制御機構を解明 生理研と分子研、ワサビ受容体TRPA1に阻害剤HC-030031が作用する構造を解明 東京農工大、赤色光で遺伝子を発現させる人工光センサーを構築 TMDU、発生初期の器官形成の鍵となる組織の分化に必要な代謝経路の解明 名大、植物の受精卵が偏る仕組みを発見 名大、シロイヌナズナのゲノム編集効率を高める手法を開発 横市大と基礎生物研、雌の生殖腺付属器官の発生過程を解明 北大、新奇な体験による記憶の保持を強化する仕組みを解明 静岡大と鳥取大、植物の乾燥耐性能を向上させる化合物の開発に成功 生物系 広島大、ニホンアマガエルが国内東西では別々の種類である可能性 京大、ボノボも老眼になることを発見 農研機構、カワヒバリガイが水利施設を経由して他水系に侵入していることを確認 医療系 理研、SARSウイルスの巧みな戦略を発見 理研など、再発性/多発性肝臓がんの正確な診断ができることを明らかに 九大、結核菌を感知するセンサー分子を発見 京都府立医科大、抗がん剤をがん細胞だけに送り届ける小分子を開発 岡山大、くも膜下出血後の脳血管攣縮のメカニズムを解明 名大、小児性リンパ性白血病における高感度な微小残存病変の検査法を確立 京大、川崎病におけるガンマグロブリン療法不応性のメカニズムの一端を解明 国循、心臓サルコイドーシスにおける新たな病理組織補助診断法を発見 その他 鳥取大、スマートメーター間通信を利用した需要家の電力使用量を調整する新手法 JAMSTEC、小型AUV試作機による北極海海氷下の撮影に成功 東京海洋大、底生生物の海底付近の海洋酸性化が深刻な状況にあることを報告 神戸大、西之島周辺にて離島火山モニタリングシステムの試験運用に成功 高輝度光科学研究センター(JASRI)は、大型放射光施設SPring-8の高輝度・高エネルギー放射光X線を用いてカーボンナノチューブ中の異常な水の状態を解明した。図はカーボンナノチューブ中の水分子の様子を分子動力学計算により求めたもの