NECがこのほど、同社のWebサイトで「AI活用味覚予測サービス」を公開した。同サービスは、質問に答えることで、回答者の好みの味や性格タイプを予測する人工知能(AI)。
実験サイトでは、5つの質問に回答すると、15種類の「うまい棒」から好みの味を1種類示してくれる。うまい棒15種類は次のとおりだが、筆者が子どもの頃にはなかった味がいくつもある。
- とんかつソース味
- たこやき味
- ピザ味
- やさいサラダ味
- サラミ味
- なっとう味
- 牛タン塩味
- シュガーラスクアジ
- てりやきバーガー味
- めんたい味
- チキンカレー
- チーズ味
- コーンポタージュ味
- エビマヨネーズ味
- やきとり味
具体的には、事前に大量のアンケートの中から、AIが「うまい棒」の味ごとに、その味を好む人のペルソナ(ライフスタイル、性格などの人物像)を発見。
この発見を基に、実験サイトでは、AIが、うまい棒とはまったく関係がないライフスタイルに関する2者択一の質問を5つ出題し、その回答結果から、質問者の好みの味や性格タイプを予測する。
2回挑戦してみたが、それぞれ質問が異なっていた。以下、質問の例だ。
- 生きたい観光地は? (富士山、清水寺のどちらかを選択)
- 集中力がある時間帯は? (早朝、深夜のどちらかを選択)
- 週末の過ごし方はどちらがいい? (ドライブ、食事のいずれかを選択)
- 見て癒される動物はどちら? パンダ、イルカのどちらかを選択)
ちなみに、5つの質問に答えてみたところ、好みのうまい棒は「牛タン」、性格タイプは「友達の成功話をきいたときうらやましく思うより心から喜ぶ、『織田信長』と『徳川家康』なら尊敬するのは『徳川家康』を選ぶタイプ」と出た。この結果の真偽だが、ここでは「当たっていた」ことにしておこう。
そして、「当たっていた」か「当たっていなかった」かをフィードバックすると、人工知能が学習するという。
NECの広報に問い合わせたところ、同サービスは、11月1日・2日に開催された同社の年次イベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」に合わせて公開されたそうだ。
同社はAIの技術ブランドとして「NEC the WISE」を展開しているが、その一翼を担う「異種混合学習」がこの味覚予測サービスに活用されている。「異種混合学習」とは、多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動で発見し、その規則に基づいて、状況に応じた最適な予測を行う技術だ。
同サービスを開発した理由は、「うまい棒」という広い世代に知られているお菓子を活用して、AIという難しい技術をわかりやすくかつインパクトのある形で紹介したかったとのこと。確かに、「うまい棒」が出てくると、AIもグッと身近に感じる。実際、インターネットでも話題になっている。興味がある方はぜひお試しあれ。