本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、10月17日~10月21日付けのリリースからお届けしたい。 物理・エレクトロニクス系 京大、1つの量子的なシャッターにより2つのスリットを同時に閉じることに成功 NTTとNII、光を使って難問を解く新しい量子計算原理を実現 東工大、半導体トランジスタ中の欠陥でコヒーレンス制御に成功 東大、原子核での形の量子相転移と「京」によるシミュレーション 核融合研、高温プラズマに高速粒子を取り入れたシミュレーションプログラムを開発 生命科学系 理研、植物の青色光応答の初期過程を解明 広島大など、独自の数理モデルから生きているDNAの構造情報の取得に成功 生理研、脳の神経細胞に髄鞘が形成されるメカニズムの一端を解明 生理研、染色体に似た構造をシアノバクテリアの一種で発見 京大、ヒト ES/iPS細胞に適した環境を創出するデバイスの開発に成功 東大、長鎖ノンコーディングRNAが制御する新たな大腸がん化のメカニズムを発見 医療系 久留米大など、ミトコンドリア病と特定できる診断方法を発見・開発 健康長寿医療センターなど、筋ジストロフィー症の原因となる糖鎖構造を解明 東北大、Balo型同心円硬化症の脱髄機序を解明 名大、毛孔性紅色粃糠疹5型の原因を解明 東工大、悪性化したがん細胞を検出する新しい血中投与型発光分子を開発 東大、ピロリ菌の株間で胃を傷害する強さが異なる理由を明らかに 慶大、妊娠中の抗てんかん薬によって赤ちゃんの大脳の構造に異常を生じる仕組み 群馬大、心房細動による脳梗塞リスクが女性でより高いメカニズムを解明 九大、神経障害性疼痛の概日リズムの仕組みを解明 植物・生物系 農研機構と東大、土着微生物を利用した農耕地由来の温室効果ガスの削減 農研機構、有害線虫の多種同時診断技術を開発 岡山大、LEDと性フェロモンを用いた新型の害虫誘殺トラップを開発 愛媛大、オオムギうどんこ病菌の病原性因子を発見 その他 東北大、視覚の注意の広がりを脳波によって客観的に計測する手法を開発 京大、熊本地震による全長約40kmの地表地震断層を発見 東大、熊本地震の本震前に前震領域が拡大していたことを発見 名古屋大、エジプト・クフ王のピラミッドに未知の空間を発見 筑波大、らせん光と電気を用いた新しい光学活性高分子の合成法を開発 明治大、3Dプリンタの新たな造形方法を開発 名古屋大学は、原子核乾板を用いた宇宙線ミューオンの観測によりクフ王のピラミッドの透視に成功した。図は、クフ王のピラミッドの断面図と今回の解析に用いた検出器を設置した場所