本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、10月11日~10月14日付けのリリースからお届けしたい。 物理系 理研、結晶の歪みでX線を制御するX線導波管の開発に成功 量研機構、100万ボルト加速器で高電流密度ビームの60秒間連続生成に成功 材料・化学系 長崎大、自己集合性カプセルと発光性金属錯体の新規複合体を発見 東北大、大量作製が可能な3次元構造をもつ多孔質グラフェン作製手法を開発 理研、水中・室温・無触媒で起こるアミド化反応を発見 NIMS、常圧下で金属伝導性を示す単一の純有機分子の創製に成功 名大、高分子鎖を簡便に垂直に配向させる方法を開発 バイオ・生命科学系 東大、代謝経路の進化仮説の根拠となる古細菌におけるリジン生合成経路の解明 東大、ノックアウトするとウイルス抵抗性になる植物タンパク質遺伝子を発見 東大、染色体の立体構造を1細胞解像度で解析 東大と阪大、自然免疫応答を引き起こすToll様受容体7が活性化する機構を解明 理研、簡単手順で長期安定的な細胞の区画培養法を開発 理研、細胞壁を厚くし糖化効率を促進する低分子化合物の発見 九大、植物が硫黄の不足に応じてグルコシノレートの生合成を止める仕組みを発見 神戸大、DNAのメチル化が雑種強勢に重要であることを発見 東京理科大など、植物のDNAを生きたまま観察できる手法を開発 医療系 京大CiRAなど、前頭側頭葉変性症のメカニズムの一端を解明 京大CiRA、iPS細胞から機能性を保持した血小板を作製する培養方法を構築 長崎大、ヒストンタンパクのリン酸化が癌化を引き起こすことを発見 神戸大、肝臓の線維化を改善するホルモンの同定に成功 順天堂大、病原菌が免疫から逃れて寄生する仕組みを解明 東北大、微小血管狭心症のバイオマーカーを世界で初めて同定 大阪市大など、難治性スキルス胃癌の病態を解明 富山大、亜鉛が腸粘膜の増殖を制御する分子機構の一端を解明 NCNP、精神障害者対象の認知機能リハビリと個別型援助付き雇用プログラムの費用対効果 その他 JAMSTEC、大気と海洋の相互同時計算による気象・気候予測精度の向上へ 東大、雲・降水に伴うエアロゾルの除去過程を支配するメカニズムの観測的解明 JAMSTECなど、沖縄熱水海底下生命圏掘削により熱水孔下生命圏の限界を発見 北大など、北海道に生息する野生動物の活動時間を明らかに 名古屋大学は、液晶の自己組織化作用を利用して、材料表面で高分子鎖を簡便に垂直に配向させる新しい方法を開発した。図は今回開発された手法のイメージ