僕がロボホンを初めて見たのは昨年の秋のCEATECだったと思うが、その第一印象はルックスが「カワイイ」ということと、その名前からくる「ロボット型のスマホ!」という言葉のインパクトだったが、その内容については展示がかなり混雑しており、詳しくはわからなかった。

その後、今年に入って、春のAndroidのイベント「ABC」などでも目にし、ダンスなどのアクションのデモを目にしていたが、ぞの具体的な機能についての情報が僕の耳に入ってきたは本当に発売も間近な時期だった。

それにしても、ダンスをするロボット型携帯電話というのは今までにないという印象だった。発売前のABCでのロボホンは30センチ四方ぐらいの範囲でダンスをしていたのだが、それでは広いスペースが必要になりすぎるということか、実際に販売されたロボホンのダンスはより移動が少なくなった。やはり、実際に販売される段階になると、現実的になるものだ。

踊ることもできるロボホン

実用レベルの音声入力を実現したロボット

僕はロボホンが「ロボット風の外観を持つスマホ」だろう程度に考えていたのだが、すぐにその予想が間違っていたことを感じることになった。

背面に小さな液晶を搭載しているのは知っていたので、その液晶で操作を行なうのでは? と思っていたのだが、実にロボホンはその主な操作をスマートフォンのようにタッチディスプレイではなく、「音声」によって行なうのだ。ちなみに人の名前などを音声入力でうまく入力できないときは、背中の部分に搭載している小さなディスプレイで手書き文字入力をすることもできる。

なお、現在のロボホンができる代表的な機能は次のようなことだ。普通のユーザーがスマホで行なう実用的なことのかなりの部分がカバーされているのではないだろうか?

  • メールの送受信

  • アラーム(目覚まし)

  • ニュース・天気予報の読み上げ

  • 地図の表示

  • デジカメ写真・動画の撮影、写真、動画のメールへの添付

  • デジカメ写真のプロジェクター表示

  • 音楽の再生

  • クイズ、ポポン(独自オセロ)

  • 通話、伝言

  • キーワード検索(Wikipediaでの検索)

正直なところを言えば、電車で目的に行くための経路検索などもあれば助かる機能だが、シャープでは、そのような機能を搭載することも視野に入れているという。今後、数年という長い視野でスマートフォンで主に使われているような機能をロボホンで実現することを目指しているのだという。

「なぜ、長い時間がかかるのか?」「スマートフォンにアプリを単純に移植するように簡単にいかないのか?」と言えば、言うまでもなくロボホンはUI(ユーザインターフェース)が音声であるためだ。単純に機能を持たせるだけでなく、音声入力で使いやすいそのアプリのためにUIも開発しなければならない。スマホのアプリをそのまま移植するわけにはいかない。 ロボホンがこのように購入後もソフト的に進化したり、情報にアクセスできるのはインターネットに接続できるからだ。ロボホンは4G LTEの高速なモバイル通信機能を搭載しており、スマホが通信できる場所なら、通信を行なうことができるし、Wi-Fi接続もできる。

プロジェクターで壁に投影することもできる

頭部にはカメラとプロジェクターを搭載

Wikipediaの情報を検索することもできる

背面のタッチディスプレイは補助的に使われる