日本ヒューレット・パッカードは8月25日、中小規模のIT環境向けのストレージのエントリーモデルとして、スケールアップ/スケールアウト用途の「HPE StoreVirtual 3200」と、SSDを搭載したパフォーマンス改善用途の「HPE MSA 2042 Storage」を発表した。同日より販売される。
「HPE StoreVirtual 3200」が98万円~、「HPE MSA 2042 Storage」が149万8000円~(いずれも税別)と、戦略的な価格付けとなっている。
米ヒューレット パッカード エンタープライズ アジア太平洋・日本地域 ストレージCTOの高野勝氏よれば、今回、エントリー向けに製品をリリースした理由として、ストレージの価格が下がり、これまでエントリークラスを求めていたユーザーも、ミッドレンジクラスの製品を購入できるようになってきた点や、I/O性能をを向上させるために後付けでSSDドライブを導入するケースが増えているためだという。
同氏は「今回の製品は性能に問題を抱えていた企業には魅力的な製品だ」と語る。
「HPE StoreVirtual 3200」は、ソフトウェアデファインドストレージ「HPE StoreVirtual」テクノロジーをベースとした、スケーラブルなストレージで1筐体で288TBまで拡張可能。ドライブエンクロージャを追加すれば、2.5型であれば100本、3.5型であれば48本までドライブを搭載できる。
1筐体に2ノードを搭載でき、ミラーリングで冗長性を高めることや、個別に行うことでオンラインアップデートも可能。
また、Data Fabicとして、「HPE ProLiant」サーバ、「HPE Hyper Converged 250/380」、「HPE Synergy」の製品間でのデータ連携も可能だという。
一方、パフォーマンス重視の「HPE MSA 2042」は、800GBのソリッドステートドライブ(SSD)を標準搭載し、SSDとHDDの自動階層化を実現できる。自動階層化は、これまでオプションで提供されていたが、今回は標準機能で提供される。
搭載されたSSDは、リードキャッシュアクセラレータとしても、リード/ライト性能向上のためのSSD自動階層化としても利用可能。また、最大512のスナップショットと、リモートレプリケーションを標準で利用できる。
また同社は両製品のリリースを記念し、「仮想化導入は今がチャンス!新ストレージ スタートダッシュパッケージ」キャンペーンを年末まで実施する。このキャンペーンでは、すぐに使用できるドライブ込みの構成をキャンペーン価格で提供する。
具体的には、iSCSI接続、実効2.3TB SAS HDD搭載の「HPE StoreVirtual 3200 」を、希望小売価格152万9,000円(税別)のところを980,000円(税別)で、SAS接続 実効3.6TB SAS HDD+800GB SSD搭載の「HPE MSA 2042」を、希望小売価格230万6,000円(税別)のところを149万8,000円(税別)で提供する。
日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズグループ事業統括 ストレージ事業統括本部 事業統括本部長 山口 太氏は、「今回の製品は価格を抑えた野心的な攻めの製品だ」とアピール。また、最近のストレージのトレンドとして、「ハイエンドの市場が落ち込んでいる」「オールフラッシュの普及」「内蔵ストレージを利用した分散ストレージの流れ」があると指摘。
「これらはストレージ専業ベンダーにとっては厳しいトレンドで、総合ITベンダーのヒューレット・パッカードにとっては、優位になる変化だ」と、市場における同社の優位性を強調した。