ニュータニックス・ジャパンは7月26日、都内で記者会見を開き、6月20~22日に米国ラスベガスで開催した同社の年次イベント「.NEXT 2016」で発表された同社のハイパーコンバージド製品の新機能について説明を行った。
新機能を説明したニュータニックス・ジャパン シニアシステムエンジニアリングマネージャーの露峰光氏は「エンタープライズで使うワークロードを、どのようにレンタルと自前でバランスを取るかが重要となる。クラウドが備える迅速、容易、拡張、セキュリティなどを含め、われわれの考えるエンタープライズクラウドはオンプレミスにクラウドが有するものでシステム構築やプラットフォームを提供しようということだ。そのため、オンプレミスで柔軟、効率的なシステムを迅速に構築できることを目指している」と説明した。
新機能は、あらゆるワークロードに対応するAcropolis Container Services(ACS)とAcropolis Block Services(ABS)、開発部門と運用部門のニーズを両立するNutanix Prismセルフサービス機能、シナリオベースモデリング機能、Acropolis Hypervisor(AHV)ダイナミック・スケジューリング機能、ネットワーク可視化機能、テクノロジースタックとの連携により選択肢と拡張性を提供するOpenStackドライバー、Microsoft Cloud Platform System(CPS)、PrismからのVMware ESXi管理機能が挙げられる。以下は各機能の概要。
- Acropolis Container Services(ACS)
Dockerをサポートしているほか、Nutanixのプラットフォーム上で導入が可能で、パーシステントストレージを提供できる。そのため、従来型・次世代型アプリケーションも同社のWebスケールプラットフォームのストレージ性能、容量の最適化、データ保護の各種機能を活用できる。
- Acropolis Block Services(ABS)
Cisco、Dell、Lenovoなど物理サーバ上で実行されるデータベースはAcropolis分散ストレージ・ファブリックを直接活用し、最高水準のデータ性能と可用性を実現。Nutanixアプライアンスの全ポートフォリオでオールフラッシュ構成が利用可能となり、インフラの選択肢が広がり、最大のアプリケーション性能を保証。 Nutanix Prismセルフサービス機能
開発者や事業部門のオペレーターは、アプリケーションと関連するインフラリソースのプロビジョニングと管理を直接行うことができるほか、IT管理者のインフラの包括的な管理が可能。シナリオベース・モデリング機能
データセンター管理者によるIT環境の変更がアプリケーションの性能や可用性に及ぼす影響を事前に予測することができる。Acropolis Hypervisor(AHV)ダイナミック・スケジューリング機能
従来型の仮想化ソリューションのような演算リソースとメモリリソースの分析のみならず、ストレージ使用率のリアルタイム分析も活用し、インテリジェントなVM配置を行うことが可能。ネットワーク可視化機能
物理ネットワークと仮想ネットワークの両方に対する仮想マシンの接続方法に視認性を提供することで、一般的なネットワーク問題の修正作業をシンプル化。OpenStackドライバー
OpenStackソフトウェアを使用したプライベートクラウドの構築が容易となり、自動化を実現するOpenStackのサービスとNutanixターンキー型のインフラを一体化できる。Microsoft Cloud Platform System(CPS)
Azure型のハイブリッドクラウド環境を実現し、SQL ServerやMicrosoft Exchangeなど、高性能と高可用性が求められるアプリケーションに適した環境を提供。
- VMware ESXi管理機能
ユーザーがAcropolis Hypervisorで活用しているものと同一のワンクリックの管理機能をVMware環境でも利用できるようになり、ハイパーバイザーのコモディティ化を推進することが可能。
すでにACSとABS、OpenStackドライバー、Microsoft CPSは提供開始しており、Nutanix Prismセルフサービス機能、シナリオベース・モデリング機能、AHVダイナミック・スケジューリング機能、ネットワーク可視化機能、VMware ESXi管理機能は2016年末までに順次リリースを予定している。
ニュータニックス・ジャパン 代表 マネージングディレクターの安藤秀樹氏は新機能を踏まえ、日本における事業方針・戦略について「日本への投資拡大やパートナーエコシステムの整備、OEMビジネスの強化、エンタープライズアプリケーション市場への浸透、提携強化、全国のエンジニアへのハイパーコンバージドの啓蒙活動を実施、サポート体制の充実、コンサルティングサービスの立ち上げと育成に取り組んでいく」と述べた。