IDC Japanは7月14日、国内第3のプラットフォーム市場に関する2016年~2020年の産業分野別および企業規模別の予測を発表した。これによると2020年に同氏上は14兆円弱の規模に達するという。なお、今回の調査から、クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャルに加え、そこから派生するIoT、次世代セキュリティ、AR&VR、認知システム、ロボティクス、3Dプリンティングで構成されるイノベーションアクセラレーター関連市場も第3のプラットフォーム市場に含めている。

2016年の国内第3のプラットフォーム市場の成長率は前年比5.8%となり、マイナス0.4%減の国内IT市場、同0.6%の国内ICT市場よりも高い成長率を予測。産業分野別に見ると、オムニチャネル戦略に注力している小売業界、顧客サービス向け活用が見込まれる金融業界、製造現場での活用が顕著な組立製造業などの成長率が顕著となっており、企業規模別では大企業を中心に成長率が高くなる見込みだという。

今後、第3のプラットフォーム市場は企業向け市場を中心に成長し、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.8%を予測し、CAGRがマイナス0.8%の国内IT市場、同0.3%の国内ICT市場を上回り、2020年には13兆9341億円に達するという。予測期間前半では、すでに一般消費者に行き渡ったモビリティをベースにクラウド、ソーシャル市場を取り込んで成長し、後半にはビッグデータ市場の成長も誘発するとしている。

国内第3のプラットフォーム市場 支出額予測、2015年~2020年

産業分野別では、電力・ガス自由化や2020年の東京オリンピック/パラリンピック開催に伴い、予測期間後半に向けて公共/公益、および官公庁、自治体分野で成長が顕著になるという。第3のプラットフォームの事業戦略への活用については、予測期間前半は大企業が中心となり、後半は中堅中小企業でも活用するケースが増加すると想定している。

しかし、第3のプラットフォームへの支出がデジタルトランスフォーメーション(DX)に見られる企業変革を生み、より大きな投資対効果を生み出すか否かは、企業の組織構造や文化も同時に変革できるかにかかっているという。

IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は「ITベンダーは、第3のプラットフォーム活用の鍵を握る大企業に対して、とかくサイロ化しがちな各部署(開発/設計部門、マーケティング、製造ライン、保守部門など)をつなぎ、顧客中心型ビジネスの実現に向けてより効果的な連携を促すべきである」と述べている。