超!A&G+で一定規模のリスナーを獲得

超!A&G+は週7日間にわたり、ほぼ一日中放送している文化放送のネットラジオだ。声優やアーティストなどがパーソナリティを務めるオリジナル番組の数は130を超える。超!A&G+は「普通のラジオ放送モデルをそのままネットに移行したような構造」と片寄氏も話していたが、文化放送は地上波と超!A&G+の2チャンネルで放送を行っているラジオ局だといえる。同社は埼玉西武ライオンズに特化したナイター中継「ライオンズナイター」もネットで同時配信しているため、厳密にいえばチャンネルを3つ持っているような状況だ。

AM、ワイドFM、超!A&G+、ライオンズナイターのネット配信など、多様なチャンネルを持つ文化放送

超!A&G+はどのくらいのリスナーを抱えているのか。詳しい数は聞けなかったが、超!A&G+のパソコン・スマートフォンでの視聴登録者数は900万を超えているという。休眠状態のリスナーも存在すると思われるため、この数字がリスナーの人数を表すと短絡的に考えるわけにもいかないが、文化放送のネットラジオが一定規模のリスナーを抱えていることは間違いないだろう。

音声と視覚、どちらの広告にも対応可能な仕組み

ネットラジオの収益化には広告収入が不可欠となるが、片寄氏によると超!A&G+にはタイム提供の広告(地上波ラジオでも流れているような、いわゆるコマーシャル)が入っており、現時点でも黒字化はできているという。「マネタイズにゴールはない」と語る片寄氏は、超!A&G+に音声広告のターゲティング配信を導入することについても前向きに検討しているようだ。

超!A&G+はネットラジオという位置づけだが、映像を流す機能も備えている。実際に番組をPC経由で聴いてみると、サイトではパーソナリティが話をする様子などを観ることができた。超!A&G+の収益化に向けては、音声広告のみならず、視覚に訴える広告を導入することも可能だ。

ネットにとどまらないA&Gの収益力

A&G関連のコンテンツには、イベントを通じた実際の集客力も期待できる。例えば地上波で土曜の夜に放送している番組「神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~」では、埼玉スーパーアリーナで2日間にわたって公開イベント「DGS EXPO 2016」を開催し、両日共に会場を満員にした実績がある。関連イベントと全国・海外(香港、台湾、韓国)のライブビューイングを合わせて、総勢5万人以上を動員したDGS EXPO 2016のようなイベントが、超!A&G+からも誕生する可能性はあるはずだ。