本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、6月13日~6月17日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 理研、磁性体に内在しているスピン流の役割を解明 京大、衛星時代前のプラズマ環境を推定 東大など、ブリージングパイロクロア磁性体における新しい量子状態の観測 OIST、量子技術の勢いを加速する「1+1=2」の珍現象 物質・材料・化学系 東北大、ガラスの「形」を数学的に解明 東北大など、リボ核酸塩基分子中の電荷と原子の動きを可視化 九大など、電子顕微鏡の中で物質のナノスケール塑性変形の三次元観察に成功 京大など、ES細胞と遺伝子ネットワークを用いた化合物毒性予測システム OIST、新たなナノ粒子構造「浮き球」構造の発見 北見工大と北大、ガラス表面へのナノ構造形成に成功 東大、チタン酸化物表面のナノ磁石化に成功 大阪府立大、ステンレス鋼の加工時に生成するナノサイズの結晶相を観測 バイオ・生命科学系 東大とKEK、分子進化の新たな解析法を発見 筑波大、精子頭部を正しく形作るために必要なタンパク質を発見 東北大、免疫細胞である樹状細胞の分化メカニズムの解明 東大、細胞膜の非対称性の謎に迫る人工細胞膜の形成に成功 微化研、選択的オートファジーがタンパク質凝集体を認識・隔離するメカニズム 徳島大、Wntシグナル強度を反映するレポーターマウス 北大、自由に動いているマウスの複数の遺伝子発現リズムを連続測定するシステム 筑波大、卵子を作り出す過程を制御する新しい神経内分泌メカニズム 東北大、反射運動に可変性をもたらす神経回路の新たな発見 新潟大など、長期記憶をコードする脳活動の空間的なパターンを発見 生理研、シナプスタンパク質PSD-95の局在を調節する酵素の同定 植物系 京大、根粒菌がジベレリンを合成し、宿主の根粒数を制御する仕組み 東大、コケにおける化学物質を利用した防御システムを発見 医療系 東北大、糖尿病性腎症の新規治療標的同定 九大、脂肪の「錆び」が癌化を促進することを発見 理研、止血役にはストレスが必要 北大、腫瘍血管から転移促進分子が分泌されていることを発見 群馬大、神経細胞特異的酵素は炎症があるとグリア細胞で産生される 国がん、肺腺がんの転移と補助化学療法の効果を予測するバイオマーカー発見 広島大など、5種類のカルバペネマーゼ遺伝子型の迅速検出技術の実用化 愛媛大、妊娠中の牛乳摂取が、産後うつ症状の予防効果を示唆 エレクトロニクス系 東工大、高周波圧電共振器の課題を解消する回路技術を開発 東北大、0.5ナノ秒で書き換え可能な不揮発性磁気メモリの動作を実証 その他 東北大、長年にわたって大酒飲みの人の腸内フローラはどうなっているか ATR、長期的な視覚課題の訓練で脳の異なる場所に異なる変化が起こることを解明 東京都市大、原子力施設の安全関連システムにおける事故発生率の定量評価手法 徳島大、櫛の歯状のテラヘルツ波で煙混在ガスの濃度をリアルタイムに分析 玉川大、利己主義者は道徳的なバーゲンあさりをする 明治大、脳活動から歯の噛みあわせの「違和感」を可視化 九大などが、電子顕微鏡の中で物質のナノスケール塑性変形の三次元観察に成功。写真はスズ鉛系はんだ合金の引張に伴う形態変化を三次元立体画像として撮影し、それらを重ねて表示したもの