伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は4月28日、オープンソースの全文検索エンジン「Elasticsearch(エラスティックサーチ)」を中核としたビッグデータの解析基盤を提供するオランダのElasticsearchと販売代理店契約を締結し、導入支援・コンサルティング・保守サポートを含めたビッグデータ解析システムの提供を開始した。

Elasticの製品ポートフォリオ

今回、提供を開始するElasticsearchはドキュメント、マシンデータ、位置情報から動画までリアルタイムに大量のデータ検索と解析が可能なオープンソースのソフトウェア。IT機器のログ分析によるサイバーセキュリティ対策、動画や画像の検索、Webサイトのアクセスログ解析など、さまざまな用途のビッグデータ解析基盤として活用されているという。

同製品は冗長構成を前提とした拡張可能なアーキテクチャで設計されており、データ容量の増加に応じてインフラ拡張を行うことが可能なため、データの増加量などを加味した要件定義が難しいとされるビッグデータ解析システムのインフラ投資を最適化できるという。

また、オープンソース製品であるため、大規模の場合でもコストを抑えたシステム構築を可能としている。ログ収集・転送ツール「Logstash」や軽量のデータシッパー「Beats」、データ可視化ツール「Kibana」などの独自のプラグインも提供され、直感的な操作が可能なダッシュボードが利用できる。

これらは「Elasticスタック」としてオープンソースで提供されるほか、「x-pack」と呼ばれる拡張プラグインを利用することにより、セキュリティ、アラート、監視、グラフなど企業での利用に不可欠な機能も実現するとしている。

CTCでは、自社の総合検証センター内にビッグデータ専門の検証環境を保有しており、Elasticスタックによるシステム構築を導入から保守サポートまで一括してサービスを提供するという。

今後、CTCとElasticsearchは共同で、ビッグデータ解析システムの提案と提供を行い、通信事業者、クラウド事業者、コンテンツ事業者などを対象に3年間で50社の導入を目指す。