日立レールヨーロッパ社は4月1日、鉄道運行会社のFirstGroup plcと、ファーストグループ社の子会社であるFirst TransPennine Expressが運営する英国・イングランド北部の路線に向けた、標準型都市間車両「AT-300」95両(19編成)の納入および保守に関する正式契約を締結したと発表した。

「AT-300」のイメージ

納入する19編成のうち、最初の数編成は日立製作所の笠戸事業所で製造し、残りの編成は、日立レールヨーロッパ社が英国ダーラム州ニュートン・エイクリフに開設した鉄道車両工場で製造する計画。新型車両の納入は2018年の春、路線への導入は2019年12月を予定している。

「AT-300」は、2012年に受注した英国運輸省(Department of Transport)の都市間高速鉄道計画(以下、IEP:Intercity Express Programme)向けに設計されたClass 800シリーズをベースにしており、走行地域の急勾配に対応するため、エンジンの出力をIEP向けの車両よりも向上させるとともに、大型の燃料タンクとブレーキ抵抗器を備えている。

加えて、モダンな内装とゆとりのあるシートを備えているほか、高速Wi-Fiサービスの提供により、乗車中に映画やテレビ番組をモバイル端末で楽しめるなど、利用者が快適に過ごせる環境を整えている。新型車両は、現在走行中のClass 185車両に比べて席数が161席多い。

今回の受注獲得により、標準型都市間車両「AT-300」の納入車両数は、既に受注しているClass395の174両やClass800シリーズの1039両と合わせ、合計1308両となる。