竹中工務店は、データセンターの空調システムとして、サーバラック背面で冷却するリアドア(ラック背面)空調方式と、冷媒自然循環(VCS:Vapor Crystal System)方式を組み合わせた「リアドア VCS」(特許出願済)を開発したと発表した。

同社は今回、ラックごとに熱交換をすることで効率的にサーバを冷却することが可能なリアドア空調方式に着目した。ただ、従来のリアドア空調方式は省エネ性能に優れている一方で、冷却冷媒として水を扱っていたことから、漏水の懸念があった。そこで、新たに開発した「リアドア VCS」では、冷却冷媒にエアコン等で使われる冷媒ガスを採用。水を持ち込まない高効率な熱交換が実現されるとともに、低コストでの導入が可能となったという。

従来空調方式(左)と「リアドア VCS」(右)

特にシステムの安全対策が求められるFISC(金融情報システムセンター)準拠のデータセンターなどにも適用可能で、リアドア(ラック背面)空調方式のため、冷却空気を送るための床下空間や天井内空間が不要になるという。

リアドア VCS」の仕組み

同社によればこのシステムでは、サーバ室全体を空調する方式と比べ、サーバ冷却用のエネルギーが16%削減されるという。