John S. & James L. Knight FoundationがサインしたPDFもネット上で公開している

「Wikipedia」を運営するWikimedia Foundation(以下、WMF)は2月11日(現地時間)、新たな検索エンジン「Knowledge Engine(知識エンジン)」を構築することを明らかにした。「商用検索エンジンが、占有した技術でインターネット上の知識や情報へアクセス経路を固めてしまった」とWMFは開発理由を語っている。

John S. & James L. Knight Foundationから2万5,000ドルの支援を行うサイン(2015年9月18日付け)を2016年2月11日に公開したことから、海外ニュースでも大きく扱われた。Wikipedia創設者であるJimmy Wales氏は2008年1月に独自の検索エンジン「Wikia Search」プロジェクトを立ち上げ、アルファ版を公開したが、2009年3月末にプロジェクトを中止している。

WMFがJohn S. & James L. Knight Foundationに提出した書類上でKnowledge Engineは6つの分野において注力する。

  • キュレーション構造の品質向上。
  • 透明性のあるオリジナルの情報をユーザーに伝える。
  • メタデータへのオープンなアクセスと正確なソース提供。
  • 厳格な検索時のプライバシー保護。
  • 非広告。
  • コミュニティ構築と情報共有を行うインターナリゼーション。

同資料を確認するとWikimedia Foundationは開発に244万5,873ドルの予算と14人のスタッフやハードウェアを提出。WMF Executive DirectorのLila Tretikov氏は2015年6月に開催したスタッフミーティングで話し合い、Knowledge Engineという名前にたどり着いたとWikipedia上で説明している。

阿久津良和(Cactus)