ジェムアルトは11月16日、ソフトウェア収益化の現状に関するレポート「State of Software Monetization」を公開した。

この調査はソフトウェア・ライセンシングやパッケージングに関連するニーズや課題について、企業ソフトウェアのユーザー600人と独立系ソフトウェアベンダー180社を対象に行なっている。

調査によると、85%の回答者が、ソフトウェアベンダーは「進化を遂げる市場ニーズに常に適応する必要がある」と考えていることが分かった。その内訳では、83%の回答者が、「柔軟なソフトウェアパッケージングと複数のデバイス間におけるアクセシビリティは極めて重要である」と回答し、また、80%の回答者が、「成功を収めるためにはソフトウェアは常に最新であるべき」というものだった。

一方で、インテリジェントデバイス・メーカーを含む独立系ソフトウェアベンダーは、依然として自社ソフトウェアの収益化は困難であると感じていることが分かった。特にバックオフィス業務やライセンス施行を加味すると、収益化はさらに困難となる。ライセス運用に問題はないと報告したのは10社中わずか1社のソフトウェアベンダーだった。

なお、バックオフィスに関連する主な問題は、「ライセンスの更新、管理にかかる費用」が87%、「ライセンスの更新、管理に要する時間」が83%、「製品以外の開発に要した時間と費用」が82%、「製品の使用状況の可視性の欠如」が68%だった。

調査で明らかになったことの1つに、企業向けソフトウェアのユーザーが、従来型の厳格なソフトウェアライセンス、パッケージング、配信方法に不満を感じている、という点もあった。ユーザー内では、オンラインソフトウェア配信、ソフトウェア使用量の計測、デバイスに依存しないライセンシングを求める傾向が強まっている。

自社組織で「ソフトウェアライセンスに関わる問題を抱えていない」と回答したのは、企業ユーザーの回答者ではわずか10%だった。その他の回答者は、ライセンスに関わる主な課題として、柔軟性を欠くライセンス契約、長期間にわたる顧客のオンボーディングプロセス、ライセンスキーの紛失を挙げた。望ましいソフトウェアライセンス体系として挙がったのは、「エンタープライズ・ライセンス」が59%、「サイトラインセンス」が45%、「同時使用ラインセンス」が40%だった。

また、ソフトウェアベンダー最大の懸念事項であるコンプライアンスでは、ソフトウェアベンダーの回答者のうち5分の4が、ライセンスを受けていないソフトウェアの使用を懸念していることが分かった。これは、2012年調査時の4分3から増加した結果となった。

ライセンスを受けていないソフトウェアの使用のうち、ソフトウェアベンダーの回答者が主な懸念事項に挙げたのは「競争力を獲得するための知的財産の窃盗」が59%、「意図的なラインセンス契約違反」が56%、「ソフトウェアの著作権侵害」が48%だった。

同時に、企業ユーザーの回答者のほぼ半数がソフトウェア契約に準拠していないことを認めている。ソフトウェアベンダーが講じることのできる改善策について回答者の80%は「ソフトウェアベンダーが監査プロセスをより透明性あるものにできる」と考えていることが分かった。また、回答者の72%は、「ソフトウェアベンダーが使用状況のトラッキング/監査は改善可能」と考えているという。

また、この調査では商用ソフトウェア収益化ソリューション導入企業のユーザーのうち3分の2は、6カ月以内にソリューションが稼動していたと回答したという。

この一連の調査では、企業ソフトウェアのユーザーの要求は進化しており、このニーズに応え、さらなる収益機会を生み出す必要があることが分かった。そのためには、ソフトウェアベンダーやインテリジェントデバイス・メーカーは、柔軟かつ適応可能なライセンシングやパッケージング技術の採用が必要になりそうだとまとめている。