インターネットイニシアティブ(IIJ)は11月18日、放送局における映像伝送のIP化を支援し、4K IP伝送(Video over IP)を実現するためのソリューションを発表した。
4K/8K映像の普及が進むなかで、放送業界では、制作現場から放送局へ映像データを送信するコントリビューション(集信)の4K/8K映像対応が本格化しており、映像データが膨大化するにつれ、収容効率が高く、コスト・運用面で有用な光ケーブルを利用したIP伝送の実用化に向けた検討が進みつつあるという。
その一方、放送局から視聴者へ映像を届けるディストリビューション(配信)は、すでにIP化が進んでおり、放送システムのオールIP化が実現すれば、クラウドやデータセンターに映像データを集約することで、現場から視聴者までのワークフローの一本化が可能になる。これにより、場所を問わない編集や確認作業によって、コスト削減、システム運用の簡易化、迅速な配信など、多様なメリットが見込まれることとなる。
また、放送機器については、ソニーが「ネットワーク・メディア・インタフェース」搭載放送機器の発売を通じて、4Kライブ制作のIP化を提案・推進。IIJでは、システムのインフラに適したネットワークの構築を含めたソリューションとして提供。ソニービジネスソリューションと協力し、放送事業者向けに販売していく。
なおIIJでは、すでに2015年7月に4K映像のIP伝送実用化に向けた実証実験を実施している。実験では、4K映像を長距離・長時間伝送した際の受信品質、安定性などを検証。この取り組みから得られた知見をもとに、IIJが培ってきたIPネットワーク技術を生かし、このたびの商用化に至ったという。