日本HPは9月29日、「HPコンポーザブル・インフラストラクチャ(HP Composable Infrastructure)」に対応する製品の第一弾として、統合管理ソフトウェアの新バージョン「HP OneView 2.0」、エンタープライズ向け統合クラウドソリューションの新バージョン「HP Helion CloudSystem 9.0」、およびサーバー、ストレージ、ネットワーク、管理を コンパクトなフォームファクターのソリューションに統合した中規模仮想環境向けハイパーコンバージドアプライアンス「HP ConvergedSystem 250-HC StoreVirtual(以下、CS 250-HC StoreVirtual)」を発表、同日より販売を開始した。
価格はHP OneView 2.0が79,000円~、HP Helion CloudSystem 9.0が199,000円、HP ConvergedSystem 250-HC StoreVirtualが1,707万6,000円~(いずれも税別)。
「HPコンポーザブル・インフラストラクチャ(HP Composable Infrastructure)」は、多様な機器で構成されるITインフラをフルイドリソースプール(Fluid Resource Pool:可変的なリソースプール)として捉え、求められるワークロードに最適なリソースを切り出して再構成するインフラ。
日本HP エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏は、「サーバ、ストレージ、ネットワークをまとめてプール化し、必要なときに割り振ることができるのがHPコンポーザブル・インフラストラクチャだ」と説明する。
プール化できるハードウェアは、現在、HP製のみで、サーバはGen7以降となる。割り当てはハードウェア単位になるという。
今回新版がリリースされた「HP OneView」は、「HP コンポーザブル・インフラストラクチャ」の中核を担うソフトウェアで、リソースの発見から、組み立て、確保、オーケストレーション、自己修復までを実行する。
「HP OneView」では登録されたリソースプールからサーバ、ストレージ、ネットワークを自由に選択して、目的のインフラを構成、プロビジョニングできる。選択した構成をプロファイルとして登録し、テンプレートとして利用も可能だ。
また、「HP OneView 2.0」では、オンラインでファームウェアのバージョンアップができるようになり、新しいサーバープロファイルテンプレートは、ファームウェアやドライバーのベースラインの指定、サーバー、LAN、SANの設定を一画面から実行できる。
そのほか、REST APIを介してOpenStack、Microsoft System Center、VMware vCenterをはじめとする様々なソフトウェアから、「HP OneView 2.0」に対して、サーバプロビジョニングを指示できる。
「HP Helion CloudSystem」は、OpenStackをベースとしてクラウドオーケストレーションツール。「HP Helion CloudSystem 9.0」では、マルチハイパーバイザーとマルチクラウドに対するサポートを拡大し、AWS、Microsoft Azure、HP Helion Public Cloud、OpenStackテクノロジー、VMwareなどのマルチクラウド環境をサポート。Microsoft Hyper-V、Red Hat KVM、VMware vSphereなどのマルチハイパーバイザーのサポートに加え、従来のベアメタル環境にも対応する。
また、「HP OneView 2.0」と連携し、サーバのプロビジョニングやAWSなどのパブリッククラウドとの連携が可能。
「HP ConvergedSystem 250-HC StoreVirtual」は、中規模仮想環境向けアプライアンス。64コアと94コアを選択でき、メモリーを倍増し最大2TBまで拡張できる。アプリケーション向けには、SSDとSASディスクの併用できる。
「CS 250-HC StoreVirtual」はVMware vSphere 5.5 / 6.0をサポートし、 「HP OneView for VMware vCenter plug-in」を通して「VMware vCenter」に よる統合管理を実現する。
最大4アプライアンス(16ノード)連結のストレージクラスターを提供し、仮想ハイパーバイザーの拡張性においては8アプライアンス(32ノード)をひとつの管理グループとして運用することが可能。また、ストレージ容量追加、パフォーマンスを向上させるため、「HP StoreVirtual 4000」に代表されるアプライアンス、サーバーベースの「StoreVirtual VSA」を追加ストレージとして利用することができる。
HP サーバー製品統括本部 エンタープライズサーバービジネス開発部 部長 中井大士氏は、HPコンポーザブル・インフラストラクチャを発表した背景を、「データベースやVDIなど、そのワークロードの特化したいまITインフラでは対応できなくなってなっている。いかにワークロードの最適化に追随できるかが重要だ」と述べた。