NECは7月3日、ICTシステムのマイナンバー対応を検討する中堅・中小企業向けに、既存の人事・給与システムのセキュリティを短期間で強化する「マイナンバー安心セット」を発売すると発表した。

マイナンバーを含む個人情報は、「特定個人情報」として従来の個人情報以上に企業での厳格な取り扱い義務が課せられるが、「特定個人情報」を安全に管理するには、システム改修や多岐にわたるセキュリティツールを組み合わせるなどの対応が必要となる。

中堅・中小企業では、ノウハウやシステム運用管理者の不足により、こうした対応を行ううえで多大な費用と時間が必要になるとして、同社は、短期間でのセキュリティ強化を実現する新製品で、この課題にこたえる。

「マイナンバー安心セット」は、PCにログオンできる人を限定し、なりすましを防止する「顔認証ログオンセット」、データベースを監視して「いつ誰がアクセスしたか」を追跡できる「アクセスログ監視セット」、ハードディスクの暗号化とデータ消去ソフトウェアにより格納データの漏洩を防止する「データ暗号化セット」から構成される。

「マイナンバー安心セット」の構成

「顔認証ログオンセット」は、ビジネスPC「VersaProシリーズ」「Mateシリーズ」、顔認証でPCログオンする専用ソフトウェア、データの持ち出し制御、盗難防止機器などをセットで提供し、これによりPCログオン時から離席時、ログアウトまで常時セキュリティを確保し「なりすまし」による不正利用を防止する。価格は34万2000円から(税別)。

「アクセスログ監視セット」では、IAサーバ「Express5800シリーズ」とデータベースのアクセスログを監視する専用ソフトウェアをセットで提供し、これにより複雑なデータベースログを容易に監視、取得可能となり、人事・給与システムのデータベースに直接アクセスされた場合でも、迅速な原因究明ができる。価格は81万7600円から(税別)。

「データ暗号化セット」では、ユニファイドストレージ「iStorage Mシリーズ」と暗号化ディスク、ディスク内のデータを完全消去できる専用ソフトウェアをセットで提供し、これにより、万が一ディスクが持ち出された場合でも、データの読み取りを防止する。価格は99万8000円から(税別)。

あわせて、独立系ソフトウェア開発会社(以下、ISV)との協業を推進する「パートナーズISVビジネスセンター」を新設し、中堅・中小企業に対し、セキュリティ強化をはじめとするソリューションを拡充していくことも発表された。

その第1弾として、オービックビジネスコンサルタント(主力製品:奉行シリーズ)と、ピー・シー・エー(主力製品:PCA Xシリーズ)と連携する。