米IBMと米Boxは6月24日(現地時間)、クラウド分野の技術において新たな業務提携を結んだと発表した。

両社は、既存製品とサービスを統合し、新たなソリューションの開発に取り組む。ソリューションは、複雑な症例に対処する医療チーム、携帯電話で消費者ローンの審査依頼をする個人、特許、報告書、学術誌等の様式を特定しようとするエンジニアや研究者などさまざまな業界がターゲットになるという。

具体的には、Boxのクラウドストレージ機能をIBMのノウハウを活かして拡充する。コンテンツキャプチャーや抽出、分析、ケース管理、ガバナンスをなどのIBMの企業コンテンツ管理機能を活用する方針だ。また、IBM Watson Analyticsの企業インサイトと連携させるほか、IBMのビジネス向けメールソリューションであるIBM VerseとソーシャルネットワークプラットフォームIBM ConnectionsにBoxの機能を統合させる。

ほかに、BoxとIBMの顧客のコンテンツをIBM Cloud上で保存できるようにする。IBM Cloudは、世界中でデータレジデンシー、データプライバシー、データローカライゼーションを提供しており、Boxの顧客にとって重要なポイントとなるという。IBM Global Business Servicesの専門家による専門的な企業コンテンツ管理スキルを利用し、クライアントによるBox機能の既存データおよびシステムへの結合および統合を促進させる。

さらに、セキュリティ技術では、Boxが脅威検出、異常識別、モバイル機器管理および身元保護に対するIBMのセキュリティ技術を利用し、企業セキュリティサービスの充実を図る。

そのほか、コンテンツ管理ソリューションを共同開発する。Boxは、技術を一部のIBM MobileFirst for iOSアプリケーションに統合させ、IBMは企業デベロッパーがBox APIをIBM Bluemixデベロッパーのクラウドに統合し、コンテンツの豊富なウェブおよびモバイルアプリケーションを構築させる。

今後は、両社が主要小売業者を対象としたオムニチャネルシステムを管理するためのサービス提供を計画している。例えば、ファッション小売業者の場合は、広告イメージ、販促素材、製品ラインをさまざまなデバイスで共有きるようになる。

また、マーチャンダイジングの一貫性、価格設定、パッケージングの管理をすべてのチャネルで維持することで、すべての実店舗、eコマースストアで一貫したブランドエクスペリエンスを提供できるようになる。