カスペルスキーは6月17日、WWDC15で発表されたアップル製品向けの新OSのセキュリティ機能を同社のブログ「Kaspersky Daily」で解説している。
アップルは、サンフランシスコで開催した開発者向けの年次会議「WWDC 15」において、Mac OS Xの次期バージョン「El Capitan」、iPhone/iPad向けOSの次期バージョン「iOS 9」、Apple Watch向けOSの次期バージョン「watchOS 2」を発表した。いずも今秋の公開を予定されており、現在は開発者向けにベータ版を提供している。
セキュリティ関連でも新機能がいくつか発表された。カスペルスキーが注目したのは、基調講演の際にアップルが「自社の利益のためにユーザーのデータを収集することはない」と明言したこと。
以前にも米アップルのCEOであるティム・クック氏は、「無料と見せかけて実はかなりのコストが伴うサービスを利用するために、利用者が個人情報を差し出すようなことがあってはならないと思う」と話し、企業が利用者の個人情報を取得することに反対する姿勢を見せている。
また、iOSのパスコードの要件が変わり、これまでの4桁のパスコードに代わってiOS9では6桁のパスコードが採用される点も歓迎している。単純に新しいパスコードでは、組み合わせ可能なパターンが4桁より100倍に増え(1万通りから100万通り)、他人に見破られる可能性は低くなる。新パスコードの設定は必須で、6桁のパスコードを利用しないと端末は動作しないという。
さらに、開発者は新OSで、VPNとプロキシ対応の接続を実装するための新しいツールや、トラフィックの暗号化とフィルター用のツールを利用できるようになることで、さらに安全なアプリの開発が可能になると推測している。
セキュリティ以外の注目点は、iOS 9のSiri、El CapitanのSpotlightで、これまでより遥かに強力な検索を実現できるとしている。これらの検索機能は、状況に応じて、ユーザーが必要としそうなヒントや検索結果を予測するというもので、Googleの新サービスである「Now on Tap」との多くの共通点があるという。