次回の確定申告シーズン、freeeはもっと便利に

次回の確定申告は、税率変更や白色申告者の記帳義務化など何かと変化があるシーズンとなる。そこへ向けて、freeeでは2014年11月に2つの新機能を発表した。freeeのiPhoneアプリ、もしくはPFU製のドキュメントスキャナ「ScanSnapシリーズ」を使って領収書や請求書を読み取り、OCR化。データを確認し、月末などに未払い分をまとめて一括振込ファイルで振り込むことで、取引先への支払業務を省力化するというものだ。

受け取った請求書をスマートフォンアプリでデータ化

紙の請求書の場合、担当者と経理担当者それぞれで発生していた複数の手間を省力化する

freeeにとってリリース後初となった前回(2014年)の確定申告時には「自動化」「誰でも使える簡単さ」が、初心者でも使える会計ソフトとして好評を得た。特にチャットサポートは業界初の取り組みとしてユーザー満足度が高かったという。

次回の確定申告シーズンは、「そこからさらに一歩踏み込む」と佐々木氏は言う。具体的には(1)申告書の自動作成、(2)決算書画面のUI改善、(3)モバイル強化、の3点を挙げている。

(1)青色申告の決算書&申告書をまとめて自動作成

まず、青色申告時に作成する決算書に加え、申告書も自動で作成できるようにする。

「これまでの会計ソフトは決算書しか管理できず、申告書も作れますが全てワープロで数字を打ち込んでいくだけの状態でした。個人事業主の場合、医療費や生命保険料は個人の経費ですが、中には事業用の経費として登録してしまう人もいます。すると、従来の会計ソフトは『これは個人経費ですよ』とアナウンスはしてくれますが、後から別で入力が必要でした。freeeは、その仕訳をソフト側で行います。ユーザーは全ての経費を入力してよく、freeeが個人事業主のお金の動きを考えて最適な自動化をします」(佐々木氏)

(2)決算書と申告書の項目は自分に必要な分だけ、迷わず入力できる

2つ目は、決算書と申告書の最終作成画面の改善だ。前回の確定申告時に問い合わせが多かった部分だといい、ユーザーがより迷わずに作成できるよう、UIを根本的に見直している。決算書の作成時、多くの人には関係のない項目はボタンで隠しておき、必要な人はクリックで追加入力するようにした。例えば個人事業主で保険料を支払うだけの人などは少ない入力でシンプルに終えられる。

(3)iOS/Androidアプリのユーザビリティを向上

最も力を入れているのが、モバイルアプリの強化だ。既にアプリで撮影した領収書をOCR化して自動仕訳する機能は実装しているが、それに加え、現在Webで対応しているいくつかの機能をモバイル側でも行えるよう機能向上を図っていく。スマートフォンならではの操作性を活かしたユーザビリティの向上にも取り組んでいくという。

「Webに加えて、iOS/Android両方のアプリをサポートしているのは、クラウド会計ソフトではfreeeだけ。モバイルは現状ある機能をブラッシュアップしつつ、ユーザビリティの向上に力を入れていきます」(佐々木社長)

iPhoneアプリ画面イメージ

Androidアプリ画面イメージ

サポートはいざとなったら全員体制で

前回の確定申告で好評だったチャットサポートは引き続き行っていく。従業員数も前回に比べ3倍強の70人以上に増えており、いざとなれば全員体制でサポートできる状態が整っているという。

「現在はエンジニアも交代でサポートに加わり、開発メンバーがそれぞれユーザーと触れ合ってニーズをつかむことで製品開発に活かそうと取り組んでいます」(佐々木社長)