日本電気(NEC)とトレンドマイクロは11月18日、SDN対応製品とセキュリティ製品を連携し、サイバー攻撃を自動防御するソリューションを共同開発したと発表した。2015年3月よりNECが提供を開始する。

NECとトレンドマイクロの連携ソリューションイメージ

両社は、NECが培ってきたSDNの技術とトレンドマイクロのセキュリティ脅威検知・解析技術を連携させることで、顧客のシステム全体を俯瞰し、セキュリティリスクやサイバー攻撃を早期に特定し、SDNによって迅速な初動対応の自動化を実現するソリューションを共同で開発。顧客のセキュリティリスクの最小化と安全なシステム運用を実現していくことを目指す。

NECは、SDNの普及促進を図るため、2014年10月にSDNパートナーシッププログラム、NEC SDN Partner Spaceを開始。トレンドマイクロでは、SDN等の仮想化技術と連携した次世代セキュリティアーキテクチャの開発を進めており、NEC SDN Partner Spaceにも参加。今回発表する連携ソリューションは、両社によるSDNパートナーシップ連携による成果の第一弾となる。

具体的には、トレンドマイクロの「Deep Discovery Inspector」「Trend Micro Deep Security」による、ネットワーク上のふるまい監視、不正プログラム感染や改ざんの検知などに基づき、NECのSDNコントローラ「UNVIVERGE PF6800」がSDNネットワークを動的に制御することで、不正なPC端末やサーバなどの隔離・遮断、検疫、監視、および通信経路変更によるサービスの切り替えが自動化。

その結果、標的型攻撃などの高リスクなセキュリティインシデントに対して迅速な初動対応が可能になり、また検知から処置までを自動化することによって、人的な操作ミスの削減が可能になるとともに、運用者のスキルに頼らない運用レベルの均一化が可能になる。

NECはこのソリューションを、2015年3月より、850万円~の価格で、主に個人情報を取り扱う官公庁や自治体、ならびに民間企業向けに提供を行う。

今後両社において、高度な相関分析機能を実装し、仮想ネットワークに限らず、ITシステムを構成する仮想サーバやセキュリティ機器等の自動制御を行うソリューションを順次共同で開発していくことにより、企業のITシステム全体の運用継続や可用性の維持を実現する。