大日本印刷(DNP)は10月7日、企業の重要書類およびそのデータを収録したディスクを、ICタグを利用して安全かつ効率的に管理するシステム、書類の電子化受託、書類・ディスクの保管受託を組み合わせた「ドキュメント管理サービス」を開始すると発表した。

金融機関を中心に、内部統制強化の一環として、重要書類などのドキュメントの管理において、高い情報セキュリティを備えた管理環境を構築したいというニーズが高まっていることから、DNPではサービスを開始。

企業のニーズに応じ、システムや「1.書類の電子化受託サービス」「2.ICタグを利用したドキュメント管理システム(ICタグの販売を含む)」「3.ドキュメントの保管受託サービス」を組み合わせて提供。書類の電子化作業およびドキュメントの保管場所には、高い情報セキュリティを備えたDNPの施設を利用する。

「1.書類の電子化受託サービス」において、DNPは、紙の書類を電子化して、パソコンなどで閲覧できる状態にする作業と、データを収録したディスクへのICタグやバーコードなどの貼付け作業を受託。電子化したドキュメントを、ネットワークを通じて閲覧するシステムの提供も可能。

「2.ICタグを利用したドキュメント管理システム(ICタグの販売を含む)」においては、自社でドキュメント管理を行う企業向けにシステムを販売する。

貸出登録漏れのチェック(左) 棚卸し作業の効率化(右)

個々のドキュメントに貼付されたICタグを、保管受け入れ時にICタグリーダーで読み取り、ドキュメントの貸出・返却から、棚卸し管理、廃棄までを効率的に管理。ドキュメントの貸出処理を行わずに専用ゲートを通ると警報が鳴り、不正な持出しを防止する。

利用頻度が高いドキュメントには直接1点毎に、利用頻度が低いドキュメントについてはまとめて収納したダンボール箱に1つICタグを貼るなど、さまざまな運用方法に対応できる。

「3.ドキュメントの保管受託サービス」においては、企業で保管しきれないドキュメントをDNPの倉庫で保管。専用の在庫管理システムを利用して、入出庫の指示を受け付け、引取り・配送にも対応する。

価格は個別見積もりだが、参考価格は、ICタグを利用したドキュメント管理システムが、ICタグ10万個/ゲート/棚卸し確認などを行うハンディー端末を含む標準セットで1,000万円(設置費用は別途)。

DNPは金融機関を中心にドキュメント管理サービスを提供し、2016年度までの3年間累計で5億円の売上を見込む。