シスコシステムズは9月18日、同社のサーバ製品「Cisco UCS」(Cisco Unified Computing System)おいて、100V電源に対応した支店などリモートオフィス向けサーバ「Cisco UCS Mini」やカードリッジ型サーバ「Cisco UCS M」シリーズのほか、ラックサーバやブレードサーバの新製品を発表した。
Cisco UCS Miniは、リモートサイト、支店、および小規模なIT環境に最適なサーバで、 UCS Bシリーズのブレードサーバシャーシに、Cisco UCS B200 M3/M4のブレードサーバを搭載できる。また、従来は別きょう体であったインターコネクトを、シャーシ内部に搭載できるUCS Fi 6234を新たに開発。シャーシきょう体だけで、サーバ、ストレージ、ネットワーク機器を統合して1システムとして管理できる。さらに、Cisco UCS Miniでは200Vのほか、AC100V電源にも対応。小規模オフィスでの導入を容易にしている。価格は、サーバなしで、30,168米ドルから。
Cisco UCS Mシリーズ モジュラ サーバは、スケールアウト型のアプリケーション アーキテクチャへの依存度が高まっているクラウド サービス プロバイダーやエンタープライズ カスタマー向けサーバ。2RUラックサイズのサーバカートリッジに、最大16台のサーバを搭載可能。搭載するサーバにはCPUとメモリのみ搭載し、ネットワークやストレージは共通部して分離され、両者をCisco System Link技術で接続する。そのため、ラックサーバと比べケーブル、ファン、電源などの点数が減り、シンプルに管理できる。価格は未定。
そのほか、Cisco UCS M4シリーズの新製品として、Intel Xeon E5-2600 V3を搭載した、「Cisco UCS B200 M4」ブレード サーバ、および「Cisco UCS C220 M4」「Cisco UCS C240 M4」ラック サーバを発表した。ラックサーバでは、新たにPCIe3.0に対応し、ネットワークカード、FCカード、GPUカード、Fusion ioMemory 3シリーズなどのFlashカードを搭載でき、RAIDカード専用スロットも設けられている。
また、新製品では、Ciscoの仮想インタフェースカードを搭載できるモジュラーLOM(mLOM)スロットも設けられている。
そのほか、Cisco UCS環境を統合的に管理できるCisco UCS Directorソリューションも刷新。Hadoopの展開やSAP HANAの展開を自動化するほか、性能モニター機能である「UCS Perfomance Manager」を追加している。
シスコシステムズ 執行役員 データセンター/バーチャライゼーション事業担当 俵雄一氏は、「モバイル、クラウド、IoTがIT利活用のトラディションを促している。アプリケーションの全体像は絶えず変化しており、IoE(Internet of Everything)の波が新たな源泉になり、さらなるコンピューティング処理を要求している。ただ、データセンターの最適化だけではいまのITの要求を満たすことはできず、エッジ側のデータアクセスや活用にまで広げていかなくてはならない。今後はクラウドにおいて、新しいタイプのアプリケーションが出てくるだろう。そのため、異なるアプリケーションのニーズに答えるITになるかが現在のCIOのプライオリティになっている。新しいニーズには、あたらしいアーキテクチャが必要だ」と、同社の新製品をアピールした。