富士通は9月2日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がNASAなどと共同で推進する全球降水観測計画(Global Precipitation Measurement)ミッションの主要な地上システム「GPM/DPRミッション運用系システム」を構築したと発表した。
同システムは、今年2月28日に打ち上げられたGPM主衛星をはじめとする複数の人工衛星が取得するデータをNASAの降水データ処理システムから受信して降水に関する情報を作成し、NASA、気象庁、水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)、国際建設技術協会(IDI)などの関係機関へ配信する。
同システムは、米国メリーランド州のNASAの降水処理システムと連携したシステムでありながら、一部のデータはNASAからデータが発信されてから13分間で迅速なデータ受信・処理・送信を要求されている。同社は即時処理専用の計算機を設置することで、この要求に対処している。SANによってサーバ間のファイル共有を可能にすることで、システム内のデータ伝送時間も短縮している。
また、同社の統合運用管理「FUJITSU Software Systemwalker」、高信頼基盤ソフトウェア「FUJITSU Software PRIMECLUSTER」、ビジネスアプリケーション基盤「FUJITSU Software Interstage」などのミドルウェアを活用することにより、システム全体の信頼性・可用性・性能の向上と、自律性・業務拡張などの柔軟性を実現している。
JAXAは2014年2月28日に開始した同システムから一部機関へのデータ配信に続き、9月2日に、地球観測衛星データ提供システム「G-Portal」からの一般向けオンライン提供を開始する。