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仕事がはかどらないという人は、その理由を考えてみたことがあるだろうか?
作業内容やワークスタイルも人それぞれなので一概には言えないが、「メールの管理がその理由だ」と指摘すると、「そうかもしれない」と思う人もいるのではないか。
効率よく作業するためには、脳をフロー状態にすることが大切だ。忙しいナレッジワーカーが効率よくメールを管理しつつフロー状態を活用するにはどうすれば良いのか。The Next Webの記事「仕事の効率アップ? メールを減らしてフローを増やせ(原題:The key to better work? E-mail less, flow more)」がメール管理を指南している。
電子メールについていくつかの事実
最初に、一般的なデスクワークの会社員にとってのメールに関する事実を伝えておこう。平均すると私たちは働く時間の28%をメールの処理に費やしているという。これは1週間に13時間、年間の労働時間になおすと650時間に相当するという。米国の数字ではあるが、日本でもある程度当てはまることだろう。
メールがどうして効率性の敵なのか。数字を使って説明すると、作業中に新着メールがやってきて、1通のメールに費やす時間は9分30秒にものぼる。しかも、関連操作や気持ちの切り替えなどを含めると、通常作業に戻るまで合計で16分を要するとのことだ。
私たちは3分ごとに作業を切り替えている……というよりも集中力が持続するのが3分程度と言われているが、多くが「メール過多で管理できない」と感じているという。そのためにフィルタリングなどのツールが存在するものの、重要なメールを逃してしまったらという恐怖から、ツールを利用しない人が多いとの報告もある。
効率化だけではない、ストレスにも敵
メールは効率ダウンだけの影響とは限らず、ストレスレベルの上昇にも繋がっているという。カリフォルニア大学が13人の会社員にメールを使わせない実験を行ったところ、作業に集中する時間が長くなって、マルチタスクな作業が減り、その結果としてストレスが減った。
もちろん、この例が全てとは限らないものの、作業に集中できれば心的負担が減るが、作業ができないと生産性だけでなく、イライラや焦りなどのストレスアップに繋がると言える。
しかし、メールの禁止は非現実的だ。そこで知っておきたいのが、次に紹介するフロー状態だ。
フロー状態
フロー状態とは、高いレベルの集中力を持続できる状態だ。疲れはもちろんのこと、空腹すら感じなくなると言われているほど、高いレベルで集中している状態といえる。
この状態は適度な課題とそれを達成できるスキルの絶妙なバランスにより到達できる。つまり、その人にとって難易度が高すぎる課題ではフロー状態に入ることはできない。
課題の難易度以外で気をつけるべき事は、作業を中断しなければならない事態で、邪魔が入ること可能性を少なくしてあげれば良い。これをメールに当てはめてみると、自分がその日にやるべき作業を終了してからメールをチェックするといった決めごとが良いと言える。
メール処理という周辺環境を整備し、適切な目標を掲げ、成果を継続的に記録すること。これらを果たすことで、作業効率は大きく改善されるはずだ。