ソフトバンクモバイルは8月13日、「車載係留気球Wi-Fiシステム」を開発したと発表した。屋外で開催される大規模イベント会場でWi-Fi環境を提供する想定で開発しており、車載の係留気球によってWi-Fi基地局を地上数十メートルの高さに揚げる。

「車載係留気球Wi-Fiシステム」は、既存の気球無線中継システムを改良し簡素化したもので、車外に広い作業スペースを必要とせず、会場到着後約30分程度でサービスを開始できる。

係留気球は車載の係留気球ボックスに収納してイベント会場へ運搬。会場で係留気球ボックスの側面を気球の大きさに合うように広げて、中で気球を膨らませる。

一連の作業は全て車載の係留気球ボックス内で行うため、車外に広い作業スペースを必要としない。そのため、風速10メートル以上の強風環境下でも迅速に作業ができる。

また、同システムは移動測定車に設置する「5.6GHz帯空間分割マルチチャネルWi-Fiシステム」と組み合わせて運用。空中から広域のエリアを車載係留気球Wi-Fiシステムでカバーし、高密度トラフィックのエリアをマルチチャネルWi-Fiシステムでカバーすることで、大量の通信トラフィックを効率よく処理することが可能になる。

なお、同システムは15日~17日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット86」で運用する予定で、ほかにも移動基地局車(4G LTE対応)の配備やソフトバンクWi-Fiスポットの増強、Wi-Fiアクセスポイントを装備した「Wi-Fi忍者」の配備を行なう予定だ。

対策スポット地図

Wi-Fi忍者イメージ