KDDIは8月11日、China Mobile International (中国)、China Telecom Global (中国)、Google (米国)、SingTel (シンガポール) およびGlobal Transit(マレーシア)と日本~米国間の光海底ケーブル「FASTER」共同建設協定を締結したと発表した。総建設費約3億ドル(約306億円)となる予定で、KDDIはNECとFASTERのシステム供給契約を結んでいる。

「FASTER」は、日米間を直接結ぶ総延長約9000kmの光海底ケーブルで、2016年度第1四半期の運用開始を予定している。

高品質光ファイバーケーブルとDWDM技術(Dense Wavelength Division Multiplexing、高密度波長分割多重方式)によって、初期設計容量60Tbpsを実現するという。

これにより、スマートフォンやタブレットの浸透、LTE網といった高速無線通信の拡充で増加している日米間のインターネットトラフィック需要に対応する。

日本側は、同社の千倉第二海底線中継所 (千葉県南房総市) および南志摩海底線中継所 (三重県志摩市) の2ヶ所に陸揚げし、冗長化を図るとともに、既存のUnityやSJC等の光海底ケーブルとシームレスに接続する。

千倉第二海底線中継所は、津波の影響を受けない海抜約28mの高台に位置する新たな海底ケーブル陸揚局で、大規模震災に強く、米国・アジア方面への国際通信の重要なハブとして機能する。システムの供給はNECが担当する。