住友電気工業と千葉大学は7月17日、住友電工が研究開発を進めてきた砂栽培技術と千葉大の先端的な栽培環境制御技術を融合させ、高糖度トマトの収量の大幅増を目指す実証試験を開始すると発表した。

住友電工は、砂栽培技術に自動灌水・施肥機能を組み合わせた栽培装置「サンドポニックス」の特徴を生かし、トマトの収穫量向上と食味改善の研究を行ってきた。

サンドポニックスは培地中の水・肥料の精密な制御が可能であるとともに、培地である砂は自然界に大量に存在するためその入手・廃棄が容易であるというメリットを持つ。

一般に高糖度のトマトの栽培では収量が大きく減少するが、住友電工内の小型温室圃場で行った実証試験では、高品質の目安である平均糖度8度以上のトマトを単位面積当たり2倍程度多く収穫することに成功した。バイヤーによる食味評価においても良好な結果を得ているという。

トマトの収穫量と糖度の関係

今回の実証研究には、千葉大が有する、温湿度、CO2濃度などの精密制御装置を備えた太陽光利用植物工場(面積2,000平方メートル)を活用する。

実証実験のイメージ