米トレジャーデータおよびトレジャーデータは6月12日、今後、M2MなどのIoT(Internet of Thing)の領域に注力し、2015年中に、IoT分野の事業を全体の50%にすることを目指すと発表した。

2011年11月、米国シリコンバレーに設立された米トレジャーデータは、大量のデータを収集・保管・分析するクラウド型データマネージメントサービス(DMS)「Treasure Data Service(トレジャーデータサービス)」を提供している。インフラ全体をトレジャーデータが管理し、サポートする。

米トレジャーデータ概要

米トレジャーデータ CEO 芳川裕誠氏

米トレジャーデータ CEO 芳川裕誠氏は、「我々の役割は、あらゆるデータをTreasure Data Serviceに格納できにるようにしておくことだ。Treasure Data Serviceは、データを流れを捉え、石油のパイプラインのように、クラウド上にデータの収集、保管、分析を一気通貫で行えるデータパイプラインを提供していく。これにより、お客様はデータ分析に注力できる。ビッグデータにおいては、データ収集基盤を構築し、データをクレンジングし、解析する手順が必要だが、これは非常に大変だ。トレジャーデータではこれが簡単にできる。われわれは、お客様が価値創出するまでの摩擦を下げていくことに注力していく」と述べた。

Treasure Data Serviceが扱えるデータタイプは、Webログ、アプリケーションログ、センサーデータ、マシンデータなどの多構造化ビッグデータと、ビジネスアプリケーションやRDBMSなどの構造化データ。

データの収集においては、データを転送するやり方として、2つの主要な方法を提供している。1つには、軽量なTreasure Agentで、ほぼリアルタイムにソースからデータを収集し、圧縮し、Treasure Data Serviceへと転送する。もう1つは、データをバッチでアップロードするために、同社のバルクインポートを使用する。

データの保存では、同社独自のデータベース技術およびHadoopのコンポーネントにもとづく、同社のインフラ上に保存され、必要に応じて拡張する。

同社では2012年12月に日本法人を設立、2013年5月から日本市場での事業展開を本格的に開始し、国内の企業を対象に、「Treasure Data Service」の提供を積極的に展開している。

日本国内においては、グリー、良品計画、GMOペパボ等、主にデジタルマーケティング・ 広告業界やオンラインゲーム業界の企業で導入が進み、現在Treasure Data Serviceが日々管理しているデータ数は、約6兆件だという。従業員数は約50人で、このうち15名が日本で勤務する。

グリーの事例

良品計画の事例

そして、同社は今後は先行事例のペストプラティス化とIoTに注力していくという。

先行事例のペストプラティス化では、グリーや良品計画などの実績を踏まえ、ゲーム業界やデジタルマーケティングの分野に注力する。

IoTでは、会社設立時から目標の一つと掲げてきた製造業企業への導入を進めるため、センサーデータの収集・保管・分析分野への事業展開を強化していく計画で、具体的には、自動車のテレマティクスデータや、ウェアラブル機器から取得するセンサーデータを、各種のモバイル端末やタブレットを通じて収集したり、稼働中の様々な機器から発するマシンデータの収集を通じて、各業界における新しいサービスの実現を図っていく。

ウェアラブルの例

IoT分野への適用

同社は、今後、これらの新しい戦略の下で事業を展開し、2015年中に、IoT分野の事業を全体の50%にすることを目指している。