ESETは6月2日、同社のブログで、「自動運転車をハッキングするのは容易」という記事をエントリーし、自動運転車が抱えるセキュリティ上のリスクについて説明した。

Googleが自動運転車のプロトタイプを製造したと発表するなど、最近、自動運転車に関する取り組みが活発化しているが、セキュリティについて語られることは少ない。

セキュリティ分野の研究者は、有線システムや短距離無線システムを用いて自動運転車のハッキングを実証しているが、Toucan Systemsはデスク上のPCなど、離れた場所からも可能だと警告しているという。

また、CNNのWebサイトでも、「現代の自動車はもはや巨大なコンピュータ。にもかかわらず、自動車関連のソフトウェアは遅れており、セキュリティのリスクが高い」という趣旨の記事が掲載されている。

この記事では、自動車が膨大なプログラミングのコードから構成されていることを示す例として、アポロ11号のコードが14万5,000行であるのに対し、平均的な現代の自動車のコードは億に上ることを挙げている。

自動車に対するハッキングは以前から指摘されているが、これまで、攻撃者は車に物理的にアクセスできる人とされてきた。しかし、今年の DefCon conferenceというハッキング・カンファレンスでは、トヨタとフォードの2車種において、通常、診断に利用されるポートにノートPCを接続することで、コントロールが可能になることが披露された。

米国の上院議員エドワード.J マーキー氏は、「ドライバーの安全性とプライバシーを確保するため、自動車メーカーは第3者によるワイヤレスの脆弱性テストを実施する必要があり、他のメーカーから購入した技術に関するリスクを評価すべき」と指摘しているという。

Googleの自動運転車のプロトタイプ