東京国立博物館と凸版印刷は6月4日、東京国立博物館・東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」において、バーチャルリアリティ(VR)作品「伊能忠敬の日本図」の上映を開始した。

VRはコンピュータで生成された三次元コンピュータ・グラフィックスの映像の中を自由に移動しながら、その三次元空間に居るかのような感覚を体験することができる技術。

「伊能忠敬の日本図」は、東京国立博物館が所蔵する重要文化財「日本沿海輿地図(中図)」を中心に、伊能忠敬の偉業を解説する内容で、伊能忠敬による日本地図の制作過程をバーチャル空間の中で実際に確かめながら学ぶことができる。

また、同作品には高精細なデジタルアーカイブデータが活用されており、地図の下絵を清書する際に空けられた細かな針穴や小さく書かれた町や村の名前など、地図の細部まで見ることができる。凸版印刷が開発した電動分割撮影架台で「日本沿海輿地図(中図)」を分割撮影することで、約115億画素にもおよぶ高精細なデジタルアーカイブデータを取得したという。

「伊能忠敬の日本図」より 上左:日本沿海輿地図(中図)全体 上右:日本沿海輿地図(中図)現在の関東付近 下:電動分割撮影架台を利用した「日本沿海輿地図(中図)」の撮影の様子

同作品の上映期間は9月28日までで、閲覧料金は高校生以上が500円、中学生・小学生が300円となっている。