日本マイクロソフトは6月9日、Microsoft Azureに最近追加された新機能を中心に、アップデート状況を説明した。
現在、Microsoft Azureをデータセンターのある地域(リージョン)はワールドワイドで16。サービス開始当初の8に対し、倍増されたという。
追加されたリージョンは、2月26日に稼動した東日本、西日本のほか、中国2、オーストラリア2、フランス/米国がそれぞれ1。
日本のデータセンターで提供するサービスは、モバイルなど、一部提供されていないサービスもあるが、今後、ユーザーニーズを考慮しながらサービスの追加を検討していくという。
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 クラウドアプリケーションビジネス部 谷彩子氏は、「日本リージョンが追加されて以降、具体的に導入を検討する企業が増えた」と話す。
また、同氏は3月にWindows AzureからMicrosoft Azureに名称変更した理由を、Windowsプラットフォームだけでなく、オープンソースもサポートしている点や、会社として注力していくことの意思表明だと説明した。
PaaSのAzure Web Sitesでは、自動スケール、ステージング、Web Jobs、Traffic Managerサポートが追加されている。
ステージングは、本番移行前のテスト環境で、正しく動作することが確認できた段階で、本番環境と環境をチェンジして、そのまま本番環境にできるもの。これまでWindows Azureクラウドサービスで提供されていたが、Azure Web Sitesでも利用可能になった。
Traffic Managerは、複数のAzureホステッド サービスを利用して実行する場合、どのようなポリシーに基づいてスケジュール(負荷分散)するかを、パフォーマンス(レスオンスが要求にもっとも近い所)、ラウンドロビン(均等)、フェールオーバー(プライマリーが落ちたときにバックアップサービスにルーティング)の3つから選択できる。
SQL Databaseでは、最大容量が150GBから500GBに拡大されたほか、SLAが99.9%から99.95%にアップされた。そのほかSQL Databaseでは、セルフサービス復旧やActive geo replicationが追加されたほか、サービス層とパフォーマンスレベルがWeb Edition/Business Editionの2つから、Basic/Standard/Premiumの3つに変更された。
SQL Databaseでは5分おきにバックアップされているが、セルフサービス復旧では、任意のバックアップの状態に戻すことが可能。これは、誤ってデータを消してしまった場合に有効になる。どこまで戻れるかはサービスレベルによって異なり、Basicでは24時間、Standardでは7日、Premiumでは35日となっている。ただし、Basicでは直近の日次バックアップにのみ復元できる。
Active geo replicationは、データベースの冗長性を提供するしくみで、別のサーバにある最大4つのデータベースに非同期にレプリケートする。これにより、マスターのデータセンターの機能が完全に失われることがあっても、アプリケーションを復旧させることができる。レプリケートしたデータベースは、読み取り専用として負荷分散に活用することもできる。
そのほか、データ関連やMedia Servicesでは、以下の機能が追加されている。
PaaS向けの機能では、Azure Remote Appのプレビュー版を公開した。Azure Remote AppはWindows Server 2012のRemoteAppをAzureで利用可能にしたもの。これまでも、自身でAzure上に仮想サーバを構築すれば利用できたが、Azure Remote Appはあらかじめ環境を構築して提供するもの。アプリの動作環境はWindows Server 2012 R2で、ここで動作可能であれば、企業独自アプリを提供し、Windows PC(Windows RTは非対応)のほか、iOSやAndroid端末上でアプリを実行できる。
IaaSサービスでは、Azure仮想マシンおよび仮想ネットワークでは以下のような機能が追加されている。
なお、サービスの更新情報はこちらで確認可能だ。